【エージェントが解説】エンジニアが学ぶ言語とライフプランは密接に関係する
2021.10.19
我々が10年以上フリーランスエンジニアの方からお話を伺ってきている中で、「数ヶ月後、数年先の収入が不安」「一向に収入が上がらず、この先も同じ働き方をするのか不安」といったご相談を受けることがありました。
実際に「フリーランス白書2020」のデータを見てみると、フリーランスの半数以上の方が「収入の不安定さ」を課題に感じているという結果があります。
出典:フリーランス白書2020「働き方の課題/課題解決のために実践している内容」(フリーランス協会)
我々が多くのフリーランスエンジニアの方を見てきた中で、エンジニアが収入を安定させるためには下記の2点が重要と考えております。 1つは年収を把握して習得言語を選定すること、もう1つは案件の単価を考えて受注することです。つまり、「どの言語・スキルを習得するのか」「学んだスキルを活かし、どんな職種につくのがよいか」を考慮する必要があり、この2つによって、フリーランスが抱く収入の不安は解消することができるのです。
では、どのように言語と職種を考えるのが適切なのでしょうか?この記事では、多くの「フリーランスエンジニアの方が抱える悩み、「収入の不安定さ」を解決するための、言語と職種の考え方をテーマに、人材会社の視点から解説していきます。
職種と言語が重要になる理由
そもそも、なぜエンジニアの中でも職種と学ぶ言語が重要となるかというと、職種によって給料が異なることが挙げられます。その結果、最終的にどれくらい稼ぎたいのかによって目標とする職種が決まり、その職種になるためのキャリアプランが異なってくるため、どのような職種がどれくらいの給与になるのか把握をするべきでしょう。
次の項目で、重要となるポイント【エンジニアの職種編】【言語編】の2つに分けて、それぞれ解説していきます。
【エンジニアの職種編】
上流工程になるほど給料が高くなる
マイナビエージェントの平均年収ランキングから職種別の給与を調査してみたところ、システムエンジニア(SE)・プログラマ(PG)の平均年収は443万円、社内SEの平均年収は516万円となり、さらに上流工程を担うプロジェクトマネージャー(PM)の平均は569万円となっていることがわかりました。
このように、同じエンジニアでも職種によって平均年収が違い、さらにプロジェクトマネージャー(PM)の平均年収が高額になっていることがお分かりかと思います。それもそのはず、PMの仕事内容は、アサインされたSEやPGのマネジメントを行ったり、スケジュールの管理や調整など、プロジェクトにまつわる取りまとめを行っているからです。開発から要件定義、設計やチームのコミュニケーションなど、上流から下流の工程まで把握できるエンジニアは市場価値が高いため、給料も高額になります。
エンジニアの職種別の仕事内容と年収について、詳しくは下記の記事でも解説していますので、是非ご覧ください。
>>職種によって給与が異なる?あなたはフリーランスエンジニアの職種を正しく把握していますか?
スキルアップの仕方
職種別の給与を把握したら、多くのフリーランスエンジニアの方が気になる点は「どうやったら上流工程の案件を受注できる状態になるか」ではないでしょうか。
実は、活躍しているフリーランスエンジニアの方は、高いスキルに加えて、プロジェクト経験が豊富という方が多い傾向にあります。活躍し、市場価値を高めるために必要なプロジェクト経験の身につけ方は、次の3ステップです。
複数の開発メンバーでのプロジェクトに参画して下積みをする
プロジェクトの中で徐々に設計部分に携わっていき、実際に設計の技術を学ぶ
他案件の上流工程で実績を積む
この3つのステップをクリアしていくことで、市場価値を高めることができ、理想のキャリアプランを目指すことができます。
詳しくは下記の記事で解説していますので、是非ご覧ください。
>>現役フリーランスエンジニアに聞いた!「市場価値を高めるプロジェクト経験」を身に付けるステップ
【言語編】
次に、キャリアプランを考えるために重要なポイントの2つ目、「どんな言語を学んだら良いのか」について解説していきます。結論から申し上げると、どのような言語を学ぶべきかは需要と単価を考慮し、バランスよく言語を習得することが重要です。
まず、最近言語の中で特に注目されている「Python」を一例に解説していきたいと思います。
高単価案件のPythonは実際にはどうなのか?
Pythonは機械学習やディープラーニングの分野で使われており、従来の言語よりも容易かつ幅広い分野で活用ができると需要が高まりつつある言語です。さらに、他の言語と比較しても高単価案件が多い言語となります。
Pythonについて、詳しくは下記の記事でも解説しています。
>>Pythonエンジニアは本当に儲かるのか?フリーランスでも高単価案件が多い理由
Pythonは需要が高いかつ高単価な案件となるため、良いことばかりかと思われるかもしれませんが、実は、まだ企業側のニーズに対してPythonを扱えるエンジニアの数は少ないというのが実態であり、その希少性がリスクにもつながってしまいます。
そのリスクとは、「学習するエンジニアが少なく、希少性が高い」ことです。希少性が高いことは、次の2点のデメリットがあります。
①期待値が高くなってしまう
②プロジェクトに関わる工数が多くなる可能性がある
PythonはJavaやC言語と比較しても新しい言語であるため、まだまだ使いこなせるエンジニアもそう多くはいません。Pythonはニーズがあるのも確かであり、高収入につながりやすいものの、希少性が高い言語なためPythonのみ習得しようとすることでプロジェクトから抜け出しにくくなる、といったリスクにもつながります。
※業務委託の契約書の内容を確認し、契約をしっかりと結ぶことによって防ぐことができますが、フリーランスの方は口頭で契約を結んでしまう傾向にあります。
「フリーランス白書2020」の結果によると、トラブルが発生した取引において、契約締結時の手段には、口頭での契約が多いという結果が得られました。
出典:フリーランス白書2020「トラブル発生時の契約締結手段」(フリーランス協会)
プロジェクトから抜け出しにくくなるというリスクを減らすためにも、トラブルとなりやすい口頭での契約は控え、書面で契約を結ぶようにすることが重要です。
正しい契約方法の仕方については、次の項目で詳しく解説していますのでこちらもご覧ください。
>>フリーランスの約4割が口頭で契約。あなたは正しく契約締結していますか?
安価案件の言語だけ学ぶこともリスクがある
よくあるフリーランスエンジニアの失敗として、現状のスキルでできる安価案件を獲得しようとしてしまう傾向にあります。
案件を受注することも大切ですが、収入アップを望むのであればずっと低い単価のまま生活するわけにはいきません。現状のスキルのまま案件を受注するよりも、スキルアップをしながらさらに単価が高い案件を受注できるよう、計画的にスキルアップを目指しましょう。
詳しくは下記の記事でも解説をしています。
>>【人材会社が解説】実務経験が1~3年くらいのフリーランスエンジニアが陥りやすいこと
これらの理由から、学ぶ言語は需要と単価のバランスを考えて検討する必要があります。それでは、単価による案件の特徴を解説していきます。
安価案件と高単価案件の特徴
【高単価案件】
メリット
・言語習得の難易度が高く、競合エンジニアが少ないため希少性が高いことから単価が必然的に吊り上がっていく
・替えの効かない存在になるため、依頼主から信頼や厚遇を得やすい
デメリット
・上流工程にアサインされることもしばしばあるため、純粋にプログラミングを突き詰めるというよりマネジメントの機会が増える場合がある
・替えの効かない存在になるため、1つのプロジェクトから抜け出しにくい
【安価案件】
メリット
・大手基幹システムでも多く使われており、長く需要が高い可能性がある
デメリット
・習得するエンジニアが多いため買いたたきに合いやすい
高単価案件と安価案件それぞれのメリットとデメリットについて、詳しくは下記の記事で解説しています。
フリーランスエンジニアが食いっぱぐれない言語を見極める方法を人材会社が解説します
すべて1人で検討するのは困難
学ぶ言語とキャリアプランを意識するのは言語の需要と単価感を考える必要があるため、全て1人で考えるのは非非常に難易度が高いですよね。
また、フリーランスエンジニアの方はスキルアップ以外にもやらねばならない業務が多くあるかと思います。新規案件を獲得するための営業や経理業務など、本業である開発や言語を学ぶことだけに時間を割くわけにはいきません。
スキルアップに励む時間を確保したり、エンジニア業務を増やしてプロジェクト経験を積んだりするため、「営業活動」「バックオフィス事務」といったエンジニア業務ではない業務をお願いしてみてはいかがでしょうか。フリエンならあなたにあった案件を紹介してくれるため、エンジニアスキルを高める時間の確保がしやすくなります。
1人で抱え込まず、エンジニアキャリア支援のプロに相談してみてください。
※新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、フリエンを運営するアン・コンサルティング株式会社では、WEB(Google meet、ZOOMなど)ならびにお電話によるご面談(カウンセリング)をご案内差し上げております。