フリーランスの税金はもっと減らせる!?フリーランスの税金に関する意識調査
2022.04.08
2022年2月10日(木)~2月16日(水)に「フリーランスの税金」をテーマとしたインターネット調査を行いました。
フリーランスで働く方にとって重要な、1年間の所得税額を確定する手続き「確定申告」シーズン真っ最中です。現在は売上高1000万円未満のフリーランスは消費税が免除となっていますが、2023年10月からは売上高に関わらずフリーランスに消費税が課される「インボイス制度」が施行されます。同じ働きをしているのに手取り収入が大きく減ることにならないよう、活用できる“節税対策”について知っておいて損はありません。そこで、フリーランスとして働く方の税金や節税対策についての実態と意識を調査しました。
調査概要
調査対象者:全国の20歳~49歳の男女で、本業または副業でフリーランスとして働いている方 (本業:277名、副業:88名/エンジニア:100名、エンジニア以外の職種:200名)
有効回答数:300サンプル
調査期間/方法 :2022年2月10日(木)~2月16日(水)/インターネット調査
調査結果抜粋
確定申告の準備をするタイミングは「日常的に」、「ある程度書類が溜まったら」、「直前にまとめて」が約3分の1ずつ。
半数以上が会計管理は「面倒」と回答。面倒と思う人ほど会計管理システム利用率が高いことがわかった。フリーランスに最も利用されている会計管理システムは「弥生会計」。
フリーランスの業務にかかる「経費処理をしない」人が30.3%にのぼることが判明。
フリーランスエンジニアが経費処理する項目は「通信費」72.0%、「PCや携帯など通信関連機器購入費」60.0%が多い。「水道光熱費」、「家賃」を経費処理する方も多い。
経費処理していいのか悩む項目 1位「食事代」20.3%、2位「接待交際費」19.3%。
「インボイス制度」認知はわずか26.3%。施行に向け「節税対策したい」3割未満にとどまる。
Q1. あなたはいつ頃から確定申告の準備をしていますか。(単数回答 n=300)
確定申告の準備をするタイミングを聞くと、「申告に備えて日常的に書類の整理等をこまめに行なっている」35.3%、「日常的にではないが、ある程度書類が溜まったら情報整理するようにしている」32.7%、「直前にまとめて対応している」31.7%という結果になりました。それぞれおよそ3分の1で、フリーランスが確定申告の準備を始める時期はまさに三者三様であることがわかりました。 Q2. 確定申告に必要な書類の情報整理をどのように行なっていますか。(複数回答 n=300)
確定申告に必要な書類の情報整理方法は、全体では「紙の領収書等はファイル等でまとめて保管している」62.0%が最多、次いで「紙の領収書はデータ化して管理している」22.7%、「管理アプリを利用している」20.7%となりました。職種別では、フリーランスエンジニアは「紙の領収書等はデータ化して管理している」35.0%、「管理アプリを利用している」30.0%の割合がエンジニア以外の職種の方と比べて高く、スマートな管理方法を導入している実態が明らかになりました。 Q3. フリーランスとしてお仕事をする中で、控除申請や会計処理に関して会計管理システムを利用していますか。(単数回答 n=300)
フリーランスとして働く中で、会計管理システムを「利用している」と回答した方は32.0%でした。
Q4. 控除申請や会計処理に関して利用しているシステムをお答えください。(単数回答 n=96)
会計管理システムを利用している方に、主に利用しているシステムを聞くと、回答の多い順にTOP3は「弥生会計」41.7%、「マネーフォーワードクラウド」21.9%、「freee会計」20.8%となりました。 Q5. フリーランスとしてお仕事をする中で、経費等の会計管理を面倒だと思いますか。(単数回答 n=300)
経費等の会計管理を面倒だと思うか聞くと、「とても面倒だと思う」23.0%、「面倒だと思う」30.0%をあわせて、半数以上が会計管理を面倒だと思っていることがわかりました。
Q3で聞いた会計管理システム利用状況別に「会計管理を面倒だと思うか」の回答を見ると、会計管理システムを利用している方は「とても面倒だと思う」29.2%、「面倒だと思う」35.4%と、面倒だと思うの回答割合が合計64.6%となりました。会計管理を面倒だと思うからこそ、会計管理システムを利用して少しでも負担を減らそうと考えているのかもしれません。 Q6. あなたが知っている所得控除項目をお答えください。(複数回答 n=300)
確定申告での所得控除項目について、知っている所得控除項目TOP3は1位「社会保険料控除」66.0%、2位「生命保険料控除」57.0%、3位「医療費控除」56.3%でした。 Q7. 前問で知っていると回答した所得控除項目の中で、「自由業・フリーランス」としてお仕事をする中で、確定申告の際に申請したことのある所得控除項目をお答えください。(複数回答 n=300)
申請したことのある所得控除項目は1位「社会保険料控除」40.7%、2位「生命保険料控除」37.3%、3位「基礎控除」33.7%の順となりました。「申請したことのある項目はない」38.0%と4割近くにのぼることが明らかになりました。控除対象となる項目を知り、手続きをすれば、納める税金を減らせるかもしれません。 Q8. フリーランスとしてお仕事をする中で、経費として処理することがある項目をお答えください。(複数回答 n=300)
フリーランスとしてお仕事をする中で、経費として処理することがある項目を聞くと、全体では「通信費」、「備品購入」56.7%が同率1位、次いで「交際費」49.0%の回答割合が高い結果となりました。職種別で見ると、フリーランスエンジニアは「通信費」72.0%、「PCや携帯などの通信関連機器の購入」60.0%など業務に必須のものを経費処理していることがわかります。ほかに「水道光熱費」42.0%、「家賃」35.0%など自宅で発生する費用の回答割合も全体と比べて高くなっています。案件によって在宅でも仕事ができるフリーランスエンジニアは自宅を仕事場として捉え、経費処理することが多いのかもしれません。一方「経費処理はしない」の回答割合が全体の30.3%で、仕事でかかる費用を経費処理していないフリーランスの割合が3割以上にのぼることが判明しました。 Q9. フリーランスとしてお仕事をする中で、経費として処理してよいか(するべきか)悩むことがある項目をお答えください。(複数回答 n=300)
経費として処理してよいか(するべきか)悩む項目は、1位「食事代」20.3%、2位「接待交際費」19.3%、3位「通信費」・「備品購入」17.7%でした。打ち合わせでの飲食も含む食事代や接待交際費はフリーランスが経費として良いか悩むことが多いようです。 Q10. あなたはインボイス制度について知っていますか。(単数回答 n=300)
2023年10月に施行される「インボイス制度」を知っているか聞いたところ、「聞いたことはあるが内容は知らない」38.7%が最多で、次いで「まったく知らない・聞いたことがない」35.0%の回答割合が高い結果となりました。「内容を知っている」方は26.3%にとどまり、インボイス制度についてよく知らない方が7割以上であることがわかりました。 Q11. インボイス制度施行に向けて対策として実施したことをお答えください。(単数回答 n=79)
Q10でインボイス制度の「内容を知っている」と回答した方に、インボイス制度施行に向けて何か対策を実施したか聞くと、すでに対策をした方は「適格請求書発行事業者になる」19.0%、「法人化する」5.1%でおよそ4人に1人の割合でした。「対策する予定で方法を検討中」と「何もしない」が同率38.0%となりました。インボイス制度施行まで1年半ほどですが、準備はまだまだ進んでいないようです。 Q12. インボイス制度施行に伴い、今後節税対策をしようと(強化しようと)思いますか。(単数回答n=300)
インボイス制度が施行されると、これまで免税対象だったフリーランスも消費税課税対象となります。インボイス制度施行に伴い、今後節税対策をしようと(強化しようと)思うか聞いたところ、節税対策に意欲のある方は「そう思う」9.0%、「ややそう思う」19.0%をあわせて28.0%と3割未満となりました。インボイス制度が施行されると、消費税を徴収される分同じ収入でも手取りが少なくなる可能性がありますが、まだあまり具体的にイメージができていないのかもしれません。現時点では「インボイス制度」の認知自体も低く、フリーランスの方は会計管理や税金に関する情報が少ないのではと考えられます。 <総括> 日々、弊社の案件紹介サービス登録者のフリーランスエンジニアの方とお話をしていく中で、フリーランスとして活動するにあたっての一番の壁として挙げられるのが、この時期の「確定申告」でした。在宅勤務も増えている現在、お仕事環境も変わり、「どの項目を申請してよいのか不明」と言うお声を多数いただいた背景から、フリーランスの税金関連についての調査実施に至りました。実際にアンケート調査をしてみると、経費等の会計管理は面倒と感じている方が過半数、また、申請してよいのか不明な項目などが明らかになり、確定申告の際にハードルとなることが具体的に見えてきました。また、控除対象をしっかり認識し、申請していく事が、フリーランスの節税対策のポイントだと分かりました。2023年10月にはインボイス制度も施行されます。よりしっかり節税対策をする事によって、適格事業者登録者の負担となる税金も減るのではと考えます。弊社は、フリーランスの皆様が働きやすくなる環境を整えていく為に、税理士法人様との提携やインボイス制度に関するセミナーも実施しております。今後も、フリーランスの為に、各種サポート体制を整えていく予定です。