3月8日は国際女性デー【女性エンジニアに関する調査】6割以上の方がキャリアアップを望む一方で「家庭と仕事」の両立に苦しむ声が
2023.03.02
3月8日の国際女性デーに合わせて、2023年1月20日(金)~1月23日(月)に「女性エンジニアに関する調査」を行いました。
昨今、企業では管理職のポジションで活躍する女性が増え、国も「女性活躍推進法」をかかげるなど、各企業で女性が活躍できるよう様々な取り組みが行われています。そこで、今回3月8日の「国際女性デー」に合わせ、エンジニアという職種において女性がどのくらいいるのか、今後のキャリアについてどのように考えているのか、エンジニアとしての悩みなどについて実態を調査しました。
調査概要
調査対象:全国の20~59歳の女性で、企業にお勤めするエンジニア258名、フリーランスエンジニア42名
有効回答数:300サンプル
調査期間/方法:2023年1月20日(金)~1月23日(月)/インターネット調査 ※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります
調査結果トピックス
女性エンジニアの割合は「20~29%」が28.8%、「30~39%」が23.5%。
エンジニアとしてキャリアアップをしていきたい人の割合は「そう思う」22.0%、「ややそう思う」44.7%。あわせて66.7%の方がキャリアアップを考えていることが判明。
フリーランスへの転向、25.2%と約4人に1人がフリーランスになることについて考えていたことが明らかに。(「フリーランスになることが決まっている」1.2%、「フリーランスエンジニアになることを考えていて準備をしている」2.3%、「フリーランスエンジニアになることを考えているが悩んでいる」8.1%)
Q1. あなたがお勤めの会社で女性エンジニアの割合をお答えください。フリーランスの方は出向先(受託元)がある場合、その会社の比率をお答えください。(単数回答、n=226)。
女性エンジニアとして活躍している会社員、フリーランスの方にお勤めしている企業の女性エンジニアの割合について聞いたところ、最も多い回答が「20~29%」で28.8%、次いで「30~39%」で23.5%でした。(「わからない」という回答は除く)40%以上と回答している方は10%未満となり、まだまだ女性の割合が少ない職種であることが明らかになりました。
Q2.あなたの役職をお答えください。(会社員、単数回答、n=258)
企業にお勤めしている女性エンジニアの方に役職について聞いたところ、最も多い回答が「一般社員」で77.9%、次いで「主任クラス」が11.2%、「係長クラス」と「課長クラス」が同率で4.7%、「部長クラス」が1.6%でした。女性管理職として活躍している方(主任クラス~部長クラス)が全体の22.1%で企業の女性エンジニアの割合と同様に低いことがわかりました。
Q3. あなたがお勤めの企業で導入されている制度をお答えください。(複数回答、n=300)
お勤めの企業で導入されている制度について聞いたところ、「在宅勤務制度」が67.0%、「リモートワーク制度」が56.0%でした。新型コロナウイルス感染症の影響によって在宅勤務やリモートワークが普及しましたが、一方で徐々に社員に出社を要求する企業も増えてきている中、半数以上の企業では場所を選ばない自由な働き方ができる制度を導入しているようです。勤務時間においてもフレキシブルに働けるよう「時短勤務制度」を導入している企業が47.0%、「フレックス制度」43.7%と4割以上の企業が柔軟性を持った制度を導入しています。
Q4. あなたがエンジニアになった理由をお答えください。(複数回答、n=300)
女性の割合が低いエンジニアですが、エンジニアになった理由を聞いたところ、「手に職をつけられそう」が26.3%、「専門性が高い仕事だから」が26.0%、「知識やスキルが得られる」が25.7%でした。誰でもができるような仕事ではなく、専門性が必要な仕事でしっかり手に職をつけ、スキルの体得を目的としている方が多いようです。続いて「自分の能力や個性が生かせそう」が22.0%、「モノづくりをしたかった」が21.7%で、自分の得意なことを活かし、自己実現をしたいという理由が続きました。
Q5. あなたはフリーランスエンジニアになることを考えたことがありますか。(会社員、単数回答、n=258)
企業にお勤めしている女性エンジニアの方にフリーランスエンジニアになることを考えたことがあるか聞いたところ、「フリーランスエンジニアになることが決まっている」1.2%、「フリーランスエンジニアになることを考えていて準備をしている」2.3%、「フリーランスエンジニアになることを考えているが悩んでいる」8.1%、「フリーランスエンジニアになることを考えたことがある」13.6%と合計25.2%約4人に1人がフリーランスになることについて考えていたことが明らかになりました。
Q6. あなたがフリーランスエンジニアになることを考えている(考えていた)が悩んでいる(ならなかった)理由をお答えください。(会社員、複数回答、n=56)
Q5で「現在フリーランスエンジニアになることを考えているが悩んでいる」「過去にフリーランスエンジニアになることを考えたことがある」と回答した方に、フリーランスになることを考えている(考えていた)が悩んでいる(ならなかった)理由を聞いたところ、「仕事を見つけることが難しそう」が64.3%、次いで「収入が不安定そう」が51.8%でした。フリーランスになって十分な収入を得られるのか不安に思う方が多いようです。次いで「福利厚生がない」が39.3%でした。女性はライフイベントで出産・育児などがあることから、会社の福利厚生を重視している方がいるのかもしれません。
Q7. あなたがフリーランスエンジニアになった理由をお答えください。(フリーランス、複数回答、n=42)また、フリーランスエンジニアになってよかったことをお答えください。(フリーランス、複数回答、n=42)
フリーランスエンジニアとして活躍している方に、フリーランスになった理由を聞いたところ、「時間にとらわれない働き方ができそう」が64.3%、「自分のやりたい仕事ができそう」が40.5%、「場所にとらわれない働き方ができそう」が35.7%でした。また、フリーランスになってよかったことを聞いたところ、「時間にとらわれない働き方ができた」が61.9%、「自分のやりたい仕事ができた」が35.7%、「場所にとらわれない働き方ができた」が33.3%と約3人に1人がフリーランスエンジニアになった理由であげられていた理想の働き方を叶えていることがわかりました。
Q8. あなたが女性エンジニアとして悩んだことがあることをお答えください。(複数回答、n=300)また、苦労したエピソードをお答えください。(自由回答、n=300)
<苦労したエピソード > ●男性が多い職場なので、女性の体調面に関する連絡や相談を周りにすることができなかった。(24歳) ●男性が優先で裁量権や決定権がないので、自分のペースで進めることができない。(42歳) ●男性優遇社会なので、育休などの理解がない(42歳) ●結婚、出産となにかと変化があるごとに、退社に追い込まれた(53歳) ●子供が小さい時は他のメンバーに迷惑がかかることが分かっていた為、仕事はあきらめた(55歳) ●出産と昇進のタイミングが同じだと、昇進できない(55歳)
女性エンジニアとして悩んだことがあることを聞いたところ、「家庭と仕事の両立」が26.0%、「業務スキルが足りない」が24.7%、「気軽に相談できる相手が少ない(いない)」が23.7%、「残業が多い、休みが少ない」が20.0%でした。苦労したエピソードを聞いたところ、「女性の体調面に関する連絡や相談ができなかった」「結婚、出産と変化があるごとに退社に追い込まれた」「出産と昇進のタイミングが同じだと、昇進できない」という意見がありました。悩んだことがあること、苦労したエピソードともに女性ならではの身体の不調や家庭との両立という面に悩んだ経験がある方が多いようです。また、Q1「企業における女性エンジニアの割合」20%台が最多、Q2「女性エンジニアの役職の割合」2割という結果が明らかになりましたが、エンジニアという職種において女性の数を増やし、さらに女性管理職も増やしていくことで、出産・育児についての理解促進に繋げられるかもしれません。
Q9. 今後、エンジニアとしてキャリアアップしていきたいと思いますか。(単数回答、n=300)また、女性エンジニアがもっと働きやすくなるために必要だと思うことをお答えください。(複数回答、n=300)
今後、エンジニアとしてキャリアアップをしていきたいか聞いたところ、「そう思う」が22.0%、「ややそう思う」が44.7%と、あわせると66.7%の方が前向きにキャリアアップを考えていることがわかりました。また、女性エンジニアが働きやすくなるために必要だと思うことを聞いたところ、「柔軟な勤務形態の整備」が53.3%、「福利厚生の整備・充実」が52.3%、「適正な労働時間の管理」が45.7%でした。Q8「女性エンジニアとして悩んだことがあること」で上位に「家庭と仕事の両立」「業務スキルが足りない」があげられていましたが、キャリアアップを望む女性エンジニアが6割以上と多数いることから、柔軟な勤務形態・福利厚生の設備を企業側がしっかり対応することで、女性がもっと活躍できる職種になるのかもしれません。
<総括> 今回、3月8日に制定されている「国際女性デー」に合わせて、女性エンジニアの割合、また「フリーランスエンジニア」として活躍することに対する女性の意識調査を行いました。男性の仕事というイメージが強いITエンジニアですが、実際に調査をしてみると、現場での女性エンジニアの割合は、「20~29%」が28.8%、次いで「30~39%」で23.5%でした。役職についても、「一般社員」が77.9%と最も多く、女性管理職の割合が低い結果となりました。女性エンジニアとしての悩みについて「女性の体調面に関する連絡や相談ができなかった」や「結婚、出産と変化があるごとに退社に追い込まれた」など、管理職含め女性の割合が低い職種ならではの悩みがありました。一方、今後のキャリアについては、「キャリアアップしていきたいと思う」が22.0%、「ややそう思う」が44.7%と、キャリアアップを望む方が6割以上と多数いることも判明したため、柔軟な勤務形態や福利厚生など環境を整えることで、女性が活躍しやすくなる職種になるかもしれません。 また、「フリーランス」という働き方に関しては、「フリーランスエンジニアになることを考えたことがない」が74.8%という結果が判明しました。フリーランスエンジニアになることを考えている(考えていた)が悩んでいる(ならなかった)理由を聞いたところ、「仕事を見つけることが難しそう」や「収入が不安定そう」という回答がありました。(「フリーランスエンジニアになることを考えているが悩んでいる」「フリーランスエンジニアになることを考えたことがある」と回答した方のみ。)また、「福利厚生がない」という回答もあり、女性はライフイベントがあることにより、会社の福利厚生というのが仕事を選ぶうえでのポイントになるのかもしれません。一方で「フリーランス」として活躍している方にフリーランスになってよかったことを聞いたところ、「時間にとらわれない働き方ができた」61.9%、「自分のやりたい仕事ができた」35.7%とフリーランスとして活躍することに満足感を得ている方もいることがわかりました。 フリーランスITエンジニア向けのサービスを展開している当社は、より皆さまが安心して働ける環境を整えるためにフリーランスになった際の福利厚生において、サポートを行う「フリウェル」をご用意しております。また、女性ならではの悩みである体調面やライフイベントに伴う休職、復職等気軽に相談できる専任のカウンセラーも在籍しております。より、女性が安心して自分の望むキャリアを選べる社会になるよう、引き続きサポート体制を整えてまいります。