今話題のふるさと納税はフリーランスにもお得?
2021.04.12
会社員からフリーランスに転向し、節税を意識するようになった方は特に、話題のふるさと納税が節税対策になるのか気になっているでしょう。
そもそも
ふるさと納税ってなんだ?
ふるさと納税はお得なのか?
という疑問も多いと思います。
「会社員時代はなんとなく手続きが面倒でふるさと納税には手を出していなかったけれど、…。フリーランスではふるさと納税が節税対策になるならやってみようかな…」 という方のために、今回は、フリーランスにとってふるさと納税はお得かどうかについて説明していきます。
具体的には
フリーランスは節税にはならないふるさと納税を基礎から解説
フリーランスにとってのふるさと納税のメリット・デメリットを解説
フリーランスは複雑!ふるさと納税の計算方法
フリーランスはふるさと納税を経費にすることができる
の順番に重要なポイントだけをご紹介していきます。
所要時間3分でふるさと納税について簡単に理解することができます。ぜひご覧ください。
フリーランスは節税にはならない!ふるさと納税を基礎から解説!
実はふるさと納税は節税対策にならないということをご存知ですか? ここではふるさと納税がよくわからないという方のために基礎知識から解説していきます。
ふるさと納税は税金の前払い
ふるさと納税とは生まれ育ったふるさとや自分が応援したい自治体へ寄附することができる制度です。
寄附をすることで地域に貢献することができ、さらに寄付のお礼として地域の特産品をお礼として貰えます。
重要なのは、合計寄附額から2,000円を引いた額について、所得税の還付や翌年度の住民税の控除が受けることができる点です。
例えば、ふるさと納税で1万円を支払ったとします。 この1万円から2,000円を引いた額の8,000円が所得税や住民税から控除されるということです。つまり、ふるさと納税は税金を前倒しで納めることなのです
控除額の上限は決まっている
ふるさと納税は任意の自治体に寄附後、寄附した金額の2000円を超える部分が所得税と住民税から控除される制度です。
ですが控除を受けられる金額には、収入や家族構成に応じて上限があります。 控除上限額は超えた寄附金は、全額自己負担になります。ふるさと納税を利用してお得に寄附を行うためには、控除上限額を知っておきましょう。
詳細な計算方法は後ほどご紹介します。
フリーランスにとってもお得?ふるさと納税のメリット・デメリットを解説!
ふるさと納税にはメリットばかりではなくデメリットもあります。 ここではふるさと納税のメリットおよび・デメリットについて解説していきます。
ふるさと納税のメリット
ふるさと納税のメリットについてまとめると
納税すると返礼品がもらえる
自分で納税先を選ぶことができる
の2点になります。
返礼品をもらえる
ふるさと納税の最大の特典は返礼品ですよね。
自分では購入することのできない地域限定品を選ぶこともできます。 普段とは違う豪華な食事を楽しんだり、日常の生活に充てたりすることも一つの手段として考えられます。
自分で納税先を選べる
自分が現在住んでいる地域だけでなく、学生時代に住んでいた地域や、実家のある都道府県など、好きな地域に寄附することができます。
昨今、北海道胆振東部地震で大きな被害を受けた地域に寄附して支援することも可能です。
ふるさと納税のデメリット
ふるさと納税のデメリットについてまとめると
事前に納税する額を決めなくてはならない
支払いが前払いである
の2点になります。
課税所得が確定する前に額を決める必要がある
ふるさと納税の期限は年末までなので確定申告より先に納税額を決めなくてはいけません。 会社員の方であれば歩合制など例外もありますが、以下の簡単な計算で直ぐに年収を計算することが出来ます。
給料×12ヶ月+ボーナス=年収
しかしフリーランスや個人事業主の方は上記のように単純に年収を計算することができないため、それまでの収入や経費から課税所得を予想して控除額を計算しなければなりません。
普段から収入及び経費を把握している方は問題ありませんが、把握していない方は、計算に苦労します。
そのため控除ギリギリになるようにふるさと納税をすることにこだわる人は、払いすぎて控除できずに自己負担になってしまいます。
また控除額にこだわって、申し込みが年末ぎりぎりになり、欲しい返礼品がなくなってしまうケースもあります
支払いが前払い
通常であれば住民税は確定申告後に納めるのですが、ふるさと納税は前払いとなります。
払いすぎた場合は還付されず、寄附になるので注意が必要です。 ふるさと納税の支払いによって一時的に現金が出ていきます。
一時的に資金が足りず、運営出来なくなってしまったり。 支払いを滞らせてしまったりすることもありえます。 メリット以前に事業運営に支障をきたさないよう細心の注意を払いましょう。
フリーランスは複雑!ふるさと納税の計算方法
ふるさと納税の計算方法について解説致します。
計算方法が分かりづらい・計算するのが面倒という方でも簡単にシミュレーションできる外部リンクも貼り付けています。
まずは目安額を確認しよう
ふるさと納税の計算方法について
フリーランスにとって、ふるさと納税の計算方法が複雑です。
ここでは、いくらまでふるさと納税で寄附することができるのか、計算方法をまとめます。
住民税所得割額 × 20% ÷(90% - 所得税率 × 1.021)+ 2,000円
住民税所得割とはふるさと納税をする本人の「住民税」の金額です。
住民税の計算式(本業以外の収入がない場合)
(事業所得※-各種所得控除)×10%
事業所得 = 事業収入 - 事業経費 - 青色申告特別控除
所得税率の計算は事業所得-各種所得控除の金額を、下記にあてはめるだけです。
事業所得 -
~1,950,000円 - 5%
1,950,001~3,300,000円 - 10%
3,300,001~6,950,000円 - 20%
6,950,001~9,000,000円 - 23%
9,000,001~18,000,000円 - 33%
18,000,001~40,000,000円 - 40%
40,000,001円 ~ - 45%
ふるさと納税のシミュレーション
フリーランスの方のために簡単にシミュレーションをしてくれるサイトを掲載します。
確定申告書や住民税納税通知書が必要なため、フリーランス(個人事業主)の2年目以降の方の利用をおすすめします。
フリーランスはふるさと納税を経費にすることができる!
フリーランスがふるさと納税を経費にする方法は
寄付金控除にする
事業主貸にする
という2つの方法があります。
寄付金控除になる
ふるさと納税で納めた寄附金は2千円を超える部分は寄附金控除の対象となります。
ふるさと納税をすると返礼品と一緒に「寄付金受領証明書」が同封されているので確定申告まで大切に保管しておきましょう。
事業主貸になる
個人事業主がふるさと納税を事業用の口座から使って支払うという方法です。
ふるさと納税を事業資金から支払った場合の仕訳は、次のようになります。
(借方)事業主貸/(貸方)普通預金 10,000円 ◯◯市 ふるさと納税
寄付金ではないので気をつけてください。 事業用資金からの支出で事業主貸で処理するものには、基本的には事業に関係ないものや、自宅や家族に関係する支出が該当します。
まとめ:フリーランスはふるさと納税を活用しよう!
フリーランスはふるさと納税を活用しよう!
今回は、フリーランスの立場から見たふるさと納税についてご紹介しました。 記事の内容を簡単におさらいしましょう。
この記事全体を通して伝えたいポイントは3つあります。
実質二千円の寄附で返礼品をもらえる
控除額を把握せず寄附すると自己負担になる可能性がある
支払いは来年度税金の前払いのため資金繰りに余裕を持って行う
ふるさと納税のメリットは以下の2つです。
返礼品をもらえる
自分で納税先を選べる
反対に、ふるさと納税のデメリットは以下の2つでした。
課税所得が確定する前に額を決める必要がある
支払いが前払い
ふるさと納税を経費として落とす方法には以下の2つがありました
フリーランスの方は寄附金控除
個人事業主の方は事業主貸
ふるさと納税経験者の観点からみると、ふるさと納税はもちろんメリットもあります。 ただし、フリーランスの場合、収入が安定しないため控除額に関するデメリットの大きい点に注意してください。
ふるさと納税を行う場合は控除額のポイントを踏まえた上で行うようにしましょう。