お金周りに強いフリーランスエンジニアが無敵である理由を説明します
2021.10.19
弊社はフリーランスエンジニアとお話する機会が多いのですが「エンジニアスキルを身につけたのに、年収がなかなか上がらない」「ファイナンス周りの知識が弱く、確定申告が不安」といった悩みをよく聞きます。
我々エージェントが長年フリーランスエンジニアの方を見ている中で、このような悩みを深ぼって聞いていくと、年収を上げるために必要なことは「受注単価の決定」「報酬の受け取り」「税金の納め方」の3つだということがわかってきました。
では、なぜ「受注単価の決定」「報酬の受け取り」「税金の納め方」の3つが大事になるのでしょうか。
この記事では、「案件受注」「報酬トラブル」「税金」の3つの知識を身につけたフリーランスエンジニアが無敵である理由と、その詳細について解説していきます。
フリーランスが意識すべき3つのファイナンス知識
フリーランスエンジニアとして報酬を得るためには、新しい言語を学んだり、プロジェクト経験を身につけたりすることは必須です。
しかし、冒頭でもお伝えしたとおり、ファイナンスの知識を身につけることは、プログラミングのスキルアップをすることと同様に重要となります。ではなぜファイナンスの知識が必要となるのでしょうか?
それは、事業を継続するために、お金周りの知識が必要不可欠となるからです。フリーランスエンジニアとして生活をしている限り、常にお金に関しての知識が問われ続けます。
フリーランスにおけるお金の流れとしては、大きく分けて3つあると考えております。その3つとは、下記の通りです。
単価を設定し案件を受注
納品後、報酬の受け取る
所得に応じて確定申告を行い、所得税を納税する
この記事では、これらのようなファイナンス周りの3つの知識について、「受注単価の交渉編」「報酬の受け取り編」「税金の納め方編」の3つに分けて解説していきます。お金の知識を持つことで自身の事業の安定につながるだけでなく、万が一トラブルが起こってしまった際にも冷静に対応できるため、無敵のフリーランスエンジニアとなることができるのです。
では、3つについて次の項目で詳細をみていきましょう。
「受注単価の交渉」で意識すべき2点
単価交渉を得意にすることが重要
フリーランスエンジニアとして働く方は安定した収入が得られるか不安になりますよね。
「フリーランス白書2020」のデータを見てみると、フリーランスエンジニアが抱える悩みとして、「収入の不安定さ」と答える方が最多となっている結果になりました。
出典:フリーランス白書2020「働き方の課題/課題解決のために実践している内容」(フリーランス協会)
実は、稼げないフリーランスエンジニアの方に共通していることとして、下記の3点あります。
依頼主とのコミュニケーションが得意ではない
エンジニアスキルを磨く方向性を間違っている、またスキルを磨く時間を確保していない
ファイナンス・契約などバックオフィスが苦手
これらの3つができていないことで、エンジニアスキルを磨くことに注力できず、悪循環に陥ってしまう状況の方が多くなっています。受注単価の交渉も含めて、依頼主とのコミュニケーションが必須となるのです。
稼げないエンジニアが陥りやすい特徴について、詳しくは下記で解説しています。
では、安定した収入を得られやすくなるためにはどのようなスキルが必要になるのでしょうか?その一つとして、案件の受注の仕方が挙げられます。
フリーランスエンジニアの方が事業を進める第一歩として、初めに行なうのは案件の受注ですよね。案件の受注をする際には、取引先が提示した費用を鵜呑みにするのでなく、自分の能力を見ながら単価の交渉をしなくてはなりません。
しかしながら、受注単価の交渉は難易度が高く、受注単価の調整ができないため、エンジニアとしての能力が高くても稼げないフリーランスエンジニアの方が多い状況にあります。
受注単価に左右されず、バランスよく受注することが重要
では、「受注単価の調整ができずに稼げない」といった状況を打開するためには何が必要なのでしょうか?それは、高単価の案件・安価な案件それぞれの特徴を理解することです。
そして、双方の特徴を理解した上で、「受注単価に惑わされず、バランスをみて受注すること」が最も重要となります。
高単価の案件は、「替えの効かない存在になるため、依頼主から信頼や厚遇を得やすい」「言語習得の難易度が高く、競合エンジニアが少ない」ため、「希少性が高いことから単価が必然的に吊り上がっていく」メリットがある一方で、上流工程にアサインされることもしばしばあるため、純粋にプログラミングを突き詰めるというよりマネジメントの機会が増える場合があったり、替えの効かない存在になるため、1つのプロジェクトから抜け出しにくかったりといったデメリットがあります。
それに比べ、安価な案件は大手基幹システムでも多く使われており、長く需要が高い可能性があるメリットと、習得するエンジニアが多いため買いたたきに合いやすいというデメリットを含んでいます。
詳しくは下記で解説していますので、是非ご覧ください。
>>フリーランスエンジニアはどの言語を学ぶのが良い?高単価につながりやすい言語と、それに伴うリスクを解説
そして、無事に案件を受注した後は、納品に向けて案件を進めます。次の項目で、納品後に発生する【報酬の受け取り】について解説していきます。
「報酬の受け取り」で意識すべき3点
「報酬の受け取り」を意識すべき理由
無事に納品ができたら報酬のやり取りが行われますね。そして、案件の受注と報酬のやり取りを繰り返すことで、毎月の売り上げとなるかと思います。エージェントからの視点でお伝えすると、この報酬の受け取りに関して、トラブルが発生しやすくなっているため注意が必要です。
「フリーランス白書2020」の結果を見ても、フリーランスの約半数に近い方がトラブルにあっており、中でも報酬に関するトラブルが最も多いという結果となっています。
出典:フリーランス白書2020「業務委託契約時のトラブル経験」(フリーランス協会)
出典:フリーランス白書2020「発注企業とのトラブル原因」(フリーランス協会)
「口頭契約」が災いのもとになる
フリーランスの方は、知人や友人、その知り合いなど、人脈から案件を獲得することが多いかと思います。実際に「フリーランス白書2020」のデータを見ても、約7割の方が人脈から案件を受注しており、収入のほとんどを占めていることがわかります。
出典:フリーランス白書2020「受注経路」(フリーランス協会)
知人・友人の紹介から案件を受注していると、対面での会話や電話など、口頭でのお話しする機会も多くなってくるのではないでしょうか。実際に我々がお話をしてきたフリーランスエンジニアの方も、契約をする際に口頭で締結してしまう方が多くいらっしゃいます。
しかし、トラブルに遭遇する際の契約手段として、口頭での契約をした案件が最も多いという結果が出ていることから、口頭ではなく、交渉をしっかりするべきといえます。
報酬トラブルは、口頭ではなくメールや書面での契約をすることで防ぐことができるため、契約書をしっかりと作成することをおすすめします。
出典:フリーランス白書2020「トラブル発生時の契約締結手段」(フリーランス協会)
支払い遅延の対応を知るべき
書面での契約を心がけることで、トラブルの発生を防げる可能性は高くなりますが、万が一取引先が支払い遅延をしている場合の対処方法について解説していきます。
報酬トラブルに遭遇してしまった場合には、次の3つの方法で対応することができます。
電話やメールでの連絡
内容証明郵便を使う
裁判所を利用した督促
まずは取引先へ電話やメールにて確認をとりましょう。単に支払いを忘れていただけであったり、システムエラーが起こっていた場合には、連絡後にすぐ対応してもらえる可能性が高くなります。
しかし、そもそも連絡がつかなかったり、支払いを約束してもらったにもかかわらず、期限を過ぎても支払われる様子がないといった場合には、受け取ったことが証明できる内容証明郵便を利用したり、裁判所を利用したりなど、弁護士に相談した上で対処しなくてはなりません。
詳しくは下記の記事で解説していますので、是非ご覧ください。
>>取引先の報酬支払いが遅れたらどうする?請求方法や弁護士斡旋、保険について解説
報酬が支払われず、損害が発生してしまう前に備えが大事
いくら対策をしていても、取引先が倒産してしまった場合には、未払金の全額を回収できるとは限りません。そうならないために、普段から備えておくことをおすすめします。対策の一つとして、先払いや即日払いを受けられるファクタリングサービスをご紹介します。
ファクタリングサービスとは、エンジニア側が依頼主へ請求した金額の売掛債権を買い取り、手数料を引いた分を早いタイミングで支払ってもらえるサービスで、売掛先企業の倒産リスクに備えられるというメリットを持ちます。
また、融資が受けられない場合でも利用できる可能性が高いため、資金調達の有効な手段でもあります。我々エージェントサービスでは、ファクタリング専門会社とは異なり様々なメリットがある、ファクタリングサービス(フリエンペイ)を提供しています。
「ファクタリングで儲けることを第一としているわけではない」ため、お得にファクタリングが利用できるメリットがあります。具体的にどういった条件の違いがあるかについては、下記ページの記事をご覧ください。 >>業界最短支払いサイト「フリエンペイ」
>>フリーランスにとってファクタリングサービスは救いの神なのか
ファクタリングサービスを利用する際の注意点など、詳細については下記の記事でも解説しています。
>>【軌道に乗せる】フリーエンジニアはエージェント会社のファクタリングで資金繰り対策をしよう
「税金の納め方」で意識するべき2点
第三に、受け取った報酬=所得に対して、毎年確定申告を行ない、所得税の支払いが義務付けられています。フリーランスとして生計を立てていく場合には、会社が処理してくれていた会社員とは違い、税金に関することも全て自分で処理しなくてはなりません。
所得税法では毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっています。
引用:「確定申告を忘れたとき」(国税庁)
税金関連について知識を身に付けておかないと、知らず知らずのうちに損をしてしまったり、無申告の場合には「無申告加算税」も支払う状況になったりしかねませんので、税金の納め方について知識を蓄えておきましょう。
この税金の納め方編でお伝えしたいポイントは、確定申告とインボイス制度の2つです。それぞれについて次の項目で解説していきます。
確定申告の知識を身につけるべき
会社員と違い、自分で確定申告をしなくてはならないことは皆さんご存知かと思います。また、白色申告に比べて手間はかかりますが、青色申告は所得の10万円もしくは65万円までを控除の対象にできたり、10万円以上30万円未満の備品が一括で経費にできたりと、メリットも多くあることが知られています。
しかし、いずれの方式で確定申告をする場合にも、「計上できる経費は何か」知らないと、より節税をすることはできません。計上できる代表的な項目を知っておくことで、節税に繋がり、事業をよりよくすることができるでしょう。
詳しくは下記で解説していますので、ご覧ください。
>>【ポイント解説】フリーランスエンジニアならではの確定申告とは
多くの方が知らないインボイス制度を知るべき
インボイス制度とは、2023年度に導入される消費税の仕入税額控除の方式のことを指します。発注者である企業(課税事業者)や、フリーランスの中でも免税事業者であるフリーランスの方(=非適格請求書発行事業者)に発注した場合、消費税の仕入税額控除が受けられず、これまで免税対象とされてきた消費税分を、依頼する企業側が払う必要が出てきてしまいます。
このインボイス制度を知らないと、フリーランスエンジニアにとって案件が獲得しにくくなってしまったり、契約が打ち切りになってしまう可能性があります。
詳しくは下記の記事で解説していますので、ご覧ください。
>>【専門家が解説】インボイス制度を知らないとフリーランスエンジニアはこれだけ損をする!
すべて1人で解決するのは困難
事業を行う上でお金周りの知識が必要不可欠となるため、フリーランスとして生活するためにはスキルアップだけでは不十分ということをお伝えしてきました。フリーランスエンジニアの事業の流れである、「受注単価の決定」「報酬の受け取り」「税金の納め方」の3つについて知識をつけておくことが重要です。
しかし、全て1人で解決していくのは非常に困難かと思います。フリエンならあなたにあった案件を紹介してくれるため、フリーランスエンジニアの方が失敗しやすい受注単価の交渉も必要ありませんし、万が一報酬未払いのトラブルが発生しても、「フリーガル」「フリエンペイ」のサービスで解決をサポートできますので、ファイナンス周りの知識について不安がある方は、1人で抱え込まず、エンジニアキャリア支援のプロに相談してみてはいかがでしょうか。
※新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、フリエンを運営するアン・コンサルティング株式会社では、WEB(Google meet、ZOOMなど)ならびにお電話によるご面談(カウンセリング)をご案内差し上げております。