お役立ち情報 コラム 取引先の報酬支払いが遅れたらどうする?請求方法や弁護士斡旋、保険について解説

取引先の報酬支払いが遅れたらどうする?請求方法や弁護士斡旋、保険について解説

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近年、フリーランスという働き方が注目され、時間や場所にとらわれない働き方や、給料アップを目指したりする方が増加しています。しかしながら、フリーランスとして働く上で、取引先と何らかのトラブルに見舞われたことがある方が多数いる現状にあります。

では、実際に「依頼者の支払いが遅い」「契約通りの業務を行ったのに減額された」などといったトラブルに遭遇してしまったらどうすれば良いのでしょうか。この記事では、「報酬トラブルに対してどんな対策を実施すればいいのか」をテーマに、報酬トラブルが発生してしまった時の対処法と、報酬トラブルを起こさないための対策について述べていきます。

契約トラブルで多いのは「支払い遅延」

冒頭で解説した通り、「フリーランス白書2020」によると、企業との業務契約において、取引上のトラブルを経験したことがあるというフリーランスの方は、約半数にも及ぶ結果が得られました。

出典:フリーランス白書2020「業務委託契約時のトラブル経験」(フリーランス協会)

また、多くの方が経験する契約トラブルの中でも、最も発生しやすい傾向にあるのが「支払い遅延」です。「フリーランス白書2020」によると、約半数の方が契約トラブルに巻き込まれた経験があり、中でも「報酬の支払いが遅延される」トラブルや、「あらかじめ定めた報酬を減額される」トラブルに巻き込まれる方が多くいらっしゃるという結果が出ています。

出典:フリーランス白書2020「発注企業とのトラブル原因」(フリーランス協会)

実は、多くのフリーランスの方が契約トラブルに遭遇してしまう背景には、フリーランスの立場が会社員に比べて弱いことにあります。また、フリーランスが発注事業者から継続して依頼を受注したいと考えると、今後の関係が壊れることを懸念してしまい、多少無理な条件をのんでしまうことが多くみられるのです。

トラブルになりやすいのは「口頭契約」

しかし、フリーランスの方には口頭で契約し、発注書を作成せずに業務に取り掛かってしまうケースも多数あります。「フリーランス白書2020」の結果によると、トラブルが発生した取引において、契約締結時の手段には、口頭での契約が多いという結果が得られました。

出典:フリーランス白書2020「トラブル発生時の契約締結手段」(フリーランス協会)

口頭での契約の場合、契約内容が書面やメールなどの履歴として残らないことから、一方的に反故にされる自体も起こりうるのが現状です。

正しい契約方法の仕方については、次の項目で詳しく解説しています。

>>フリーランスの約4割が口頭で契約。あなたは正しく契約締結していますか?

契約内容を証拠に残すことがトラブル防止につながる

契約を行う際は、リスクのある口頭契約ではなく、書類でのやり取りをすることが重要です。さらに、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省が連名で策定した

フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」によると、「電磁的方法」、いわゆるメールやSNSでのやり取りも証拠となり得ます。その場合には、やり取りした契約内容をダウンロードできる形式で送付対応してもらうことが重要です。

下請法の書面の交付に当たっては、フリーランスが事前に承諾し保存する前提で あれば、電磁的方法による交付も認められている。その際、親事業者が、クラウドメール サービスやオンラインストレージサービス、ソーシャルネットワークサービスといった オンラインサービスを用いて書面を交付することも可能である。この場合、ダウンロード 機能を持ったサービスを用いるなどして、フリーランスが記録できるようにする必要が ある。 

引用:「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省)

このように、契約内容を口頭でやり取りするのではなく、証拠として残る形で条件を可視化することで、ある程度のトラブルは抑えることができるのです。

しかし、ベンチャー企業や資金が足りない企業だと、事前すり合わせしたとしても「支払い遅延」は発生する可能性があります。そんなときにはどうしたら良いか、次の項目で解説をしていきましょう。

もし契約内容を確認しても支払い遅延が起きたら

契約内容を十分にすり合わせた上で、それでもなお支払い遅延が起きてしまった場合、フリーランスエンジニアの方が個人でできる対応にはどんなものがあるのか、また、個人で解決できない場合にはどこに相談するのが良いか解説していきます。

電話やメールでの催促

契約書の内容を十分に確認したにもかかわらず、発注先から支払いをしてもらえない場合には、まずは取引先にメールや電話で確認をする必要があります。送金忘れや「振込先が誤っていた」といった事務的なミスであれば、一報で対応いただけることがほとんどです。

内容証明郵便での督促

では、メールや電話での督促をご確認いただけない場合の対応方法を解説します。それは「内容証明郵便」での督促を行うことです。

内容証明郵便とは

内容証明郵便とは、郵便局窓口や電子証明サービスによって送付でき、相手へ送達したことが証拠として残る郵便のことであり、トラブルが起こった際にメールや電話での確認をしてもらえない場合に多く活用されます。一般での書留郵便となり、内容証明の加算料金として440円、2枚目以降は260円増で料金がかかります。

出典:内容証明「ご利用料金」(日本郵便株式会社)

郵送した事実が公的に証明できる

内容証明郵便によって、郵送した事実を公的に証明できることができます。法的拘束力はないものの、法的手段に訴える前段階として活用される場合が多いことから、今まで無反応だった取引先が対応してくれるケースがあります。

弁護士名義で送ることで、対応してもらえる場合がある

弁護士に依頼しなくても個人的に内容証明郵便を送ることができますが、弁護士に依頼し、弁護士名義で送ることによって、取引先に「裁判になる可能性があるのではないか」「支払わなければならない」といった心情を持たせることができ、対応してもらえる場合があります。

このように、料金は多少かかってしまうものの、裁判となる一歩手前の段階まできていることを取引先相手に確実に伝えることができる内容証明郵便は、相手に心理的負担をかけられるというメリットがあります。

裁判所を利用した督促や少額訴訟

内容証明郵便を利用しても支払いがされなかった場合には、裁判所を通して債権回収を行う必要があります。しかし、裁判所を通じた法的手段をとる際には、専門的な知識になってくるため、個人で解決するのは非常に難易度が高いので、弁護士に相談するのがおすすめでしょう。

しかし、フリーランス白書2020のデータによると、もし法律トラブルがあった際の相談先として最も多いのは、家族や知人といった身近な方でした。

出典:フリーランス白書2020「トラブル発生時の相談先」(フリーランス協会)

家族や知人といった身近な方に相談したくなる気持ちをわかりますが、最も大切なのは、「いかに早くトラブルを解決するか」です。そのためにも早い段階で法律の専門家に相談しておくのが得策でしょう。

お金が戻らないことを見越して対策しておくのも考え方の1つ

弁護士や中小企業庁などの外部に相談したとしても、報酬が支払われないことがあります。それは、報酬が支払うはずの発注先が廃業してしまうことです。取引先の企業が営業不可能になった場合に、その企業は破産手続きを行います。破産手続きの場合には売掛金=未払いとなっている費用が回収できない場合があるのです。

では取引先の破産手続きなどでお金が戻らない、など事象に備えてフリーランスエンジニアはどのような対策をするのが良いでしょうか。この章では、万が一の際に未払金を回収できるよう、フリーランスエンジニアが対策できる一例を解説していきます。

ファクタリングサービス

ファクタリングサービスとは、売掛債権を買い取ってもらうことで、後日受け取る予定の報酬を従来の期日よりも早く受け取ることができるサービスを指します。

ファクタリングサービスを利用した案件で、万が一取引先が倒産してしまった場合は、ファクタリング会社が責任を追います。債権回収の必要がなくなるというメリットがあることから、未払金が回収できなくならないようにする対策の一つとして検討しておくことをお勧めします。

ファクタリングサービスについては、詳しくは下記の記事で解説しています。

>>フリーランスにとってファクタリングサービスは救いの神なのか

取引信用保険

取引信用保険は、貸倒が発生した場合でも保険金によって貸倒損失を補填できるサービスです。既に未払金の回収が不可となっている場合には利用できませんが、将来的に起こり得る貸倒れに備えられる保険サービスとなっています。貸倒となる損害がない場合にも保険料を支払わなければならないというコスト面でのデメリットはあるものの、万が一貸倒となった場合に、保険金が支払われるため、資金繰りが安定しやすいメリットがあります。

フリエンペイでは「フリーガル」という保険サービスが使える

我々が提供するエージェントサービス「フリエン」には、「フリーランスが報酬トラブルにあった際の解決をサポートする保険サービス、「フリーガル」があります。

「フリーガル」は、フリーランス協会のホームページから年間保険料5,000円から加入でき、報酬トラブルが発生した際に無料で電話相談を受けることで一般的な法律相談が可能です。電話相談後、当事者間で解決できないとなった場合には、「日弁連リーガル・アクセス・センター」を通じて弁護士を紹介されます。そして、損保ジャパン承諾のもと法的手段にかかった弁護士費用を保険金として支払われるというサービスです。

出典:「フリーガル」のご案内(フリーランス協会)

「フリーガル」が対象となる報酬トラブルは下記のようなものが挙げられます。

  • 請求書を出しても発注者が報酬の支払いに応じてくれない。

  • 成果物に対して意図的に完成を認めず、途中で契約が解除される。

  • 請求書を送ったものの、支払期日までに報酬が支払われない。

  • 請求金額に比べて、不当に低い金額にて報酬が支払われる。

  • 追加発注を受けた成果物に対して、報酬を支払ってもらえない。

  • 消費税分の上乗せが認められず、税込扱いにさせられた。

引用:「フリーガル」のご案内(フリーランス協会)

さらに、「フリエンぺイ」では「フリーガル」のサービスがあるだけではありません。「フリエン」を経由した案件に対し、フリーランスエンジニアの方に報酬の「先払い」や「即日払い」を選んでいただけるファクタリングサービスも提供しています。

フリーランスエンジニアの方が報酬の未払いに遭遇してしまう確率は低くありません。その際に、知識不足により回収できる未払い金を逃してしまうことがないよう、対応策と事前の予防策を知っておきましょう。基礎知識があることで、未払金が回収できる意外にも精神的な負担が軽くなるメリットがあります。

さらに、トラブル回避といった面から、エージェントサービスを活用することで、あなたが安心して開発を進めていけるサポートが可能です。我々の提供するエージェントサービス「フリエン」においても、今回紹介したような保険サービス以外に、トラブル回避、資金繰りサポートにも力を入れています。

エージェントサービスについては以下の記事で詳しく解説しています。

 >>フリーランスエンジニアのエージェントなんて全部同じ?いいえ違います。その理由を解説します

関連記事:フリーランスにとってファクタリングサービスは救いの神なのか

関連記事:【軌道に乗せる】フリーエンジニアはエージェント会社のファクタリングで資金繰り対策をしよう

※新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、フリエンを運営するアン・コンサルティング株式会社では、WEB(Google meet、ZOOMなど)ならびにお電話によるご面談(カウンセリング)をご案内差し上げております。

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