【人材会社が解説】稼げるフリーランスエンジニアは営業をしない?そのわけを解説
2021.07.16
近年では、さまざまな理由でフリーランスとしての働き方を目指す方が増えています。
「フリーランス白書2020」の調査によると、フリーランスとして働き始めた方に「今の働き方を始めた理由」を聞いた結果、「自分の裁量で仕事をするため」「働く時間や場所を自由にするため」「収入を増やすため」などと回答される方が多くいらっしゃるようです。
やはり正社員よりもお金を稼げるようになりたいというモチベーションは誰しもあるのではないでしょうか。ですので、フリーランスの方には営業活動を行なったり、コネクションを増やそうとすることが必須になります。
しかし、もちろん実際にはフリーランスエンジニアの中にも稼げる方と稼げない方にわかれてしまいます。人材会社の立場から10年間フリーランスエンジニアの方々を見ていると、2種類の方には決定的な違いがあり、その違いが実は営業活動面での工夫にありました。
稼げるフリーランスエンジニアの営業面での工夫とは何でしょうか?その工夫について詳しく解説をしていきます。
この記事を読むことで、さらに活躍できるフリーランスエンジニアへの一歩となれば幸いです!
営業活動は工数が多く、想像以上に時間がかかる
では、稼げているフリーランスエンジニアがどのように営業面で工夫しているのかについて解説していきましょう。意外かと思いますが、稼げるエンジニアほど営業活動をうまく外注しているケースが多いのです。
なぜ営業活動に力を入れないのか
なぜ稼げるエンジニアは営業活動を外注し、注力しすぎないようにしているのでしょうか。
結論からお伝えすると、下記の2点が挙げられます。
フリーランスエンジニアは想像以上にかかる工数が多いから。
営業活動の際に起きる支払いサイト、契約トラブルのリスクを回避したいから。
具体的にこの2点を詳しく解説していきます。
フリーランスエンジニアは想像以上にかかる工数が多い
「フリーランス白書2020」のデータによると、フリーランスの営業活動には次のようなものが挙げられます。
TwitterやFacebookでの発信
セミナーや勉強会に参加し、人脈を広げる
独自のホームページを作成する
マッチングサービスに登録する
このように、営業活動の内容は広く、精力的に活動しようとすればするほど時間が取られて大変そうですよね。
注力しすぎてしまった結果、一番大切であるスキルアップの時間が取れなくなり、参画中の案件に集中できなくなるという状況に陥ってしまうケースが多いのです。
依頼主との信頼構築が最も重要
営業活動には多くの労力がかかることがわかりますが、実際のデータを見ると、フリーランスのおよそ3割が、自ら何らかの営業活動を行なっているという結果が出ています。(「フリーランス白書2020」より)
しかし、「仕事がなかなか見つからない」「他人とのネットワークを広げる機会が少ない」と感じる方がいるのも現状です。(同資料より)
このことから、労力がかかる営業活動をおこなってクライアントを新規開拓するのが大変なことがご理解いただけるかと思います。
実は、稼げるフリーランスはこの労力がかかる営業活動に注力しすぎないようにし、「依頼主と信頼関係が構築できている」方が非常に多いのです。
信頼構築を築くことで得られるメリット
依頼主からの信頼を得ることで、その信頼が案件の受注につながることは言うまでもありません。
これは依頼者側から考えるとわかりやすいのですが、たとえエンジニアとして実務経験が同じだったり、コミュニケーション能力が高かったりしたとしても、信頼関係ができている方のほうが依頼しやすいかと思います。
信頼関係を構築できる一例
継続して案件を受注するためには、依頼主のオーダーに応えられるスキルを身につけることが信頼関係を築く一歩となります。そのために必要となるスキルは次の通りです。
開発が問題なく進められるだけのスキル
依頼主の要望を正確に汲み取るコミュニケーションスキル
プロジェクトを計画通り遂行できるマネジメントスキル
中でも、1つ目の開発に関するスキルに関しては、IT業界ではスキルレベルや成果を最も重視するというデータがあります。(コンピューターソフトウェア協会の調査より)
この依頼主と信頼関係を築くための内容に関しては、下記の記事でも詳しく解説しております。気になる方は是非読んでみてください。
引用:【人材会社が解説】フリーランスエンジニアで将来生き残るためには?
このようなデータからわかるように、依頼主企業がエンジニアに求めるのは開発スキルです。たとえコミュニケーション能力やアピール力が高く営業ができたとしても、その営業力は、そもそも自分自身にその案件を遂行できるスキルがあってはじめて活かされるものなのです。
案件を受注したり収入アップを目指したりする方は、依頼主との信頼関係を構築すること、中でも特に開発のスキルアップにいかに時間を作れるかが肝になってくることを意識してみてください。
どのような案件を受注するべきか見極めが重要
稼げるエンジニアは営業よりもスキルアップの時間が大切だと意識していますが、営業活動を全くしないわけにはいきません。
稼げるフリーランスエンジニア、やみくもに営業活動をせず、受注すべき案件と受注すべきではない案件を見極めているのです。
また、フリーランスエンジニアは契約におけるトラブルが続出している事実があり、「フリーランス白書2020」によると、フリーランスの約半数が取引上における契約トラブルに遭遇したことがあると回答しています。
その契約トラブルの内容としては、
不当な金銭、労務の提供をさせられる
契約の一方的な変更を受ける
あらかじめ定めた報酬の減額される
買いたたきを受ける
といった内容が上位を占めています。
こういったトラブルを防ぐためにも、自身はどの案件を受注するべきかの判断が重要となるのです。
しかし、個人で受注すべき案件を判断するのは難しいところ。そこで、案件を選ぶ際によくある失敗例を紹介していきます。
案件を選ぶ際に起こりやすい失敗
案件を選ぶときに起こりやすい失敗例として、下記の内容が挙げられます。
高単価に踊らされる
ファイナンス設計できない
情に流される
高単価に踊らされてしまう
高単価の案件を受注することで高い報酬を受けられることは魅力的なため、手を伸ばしたくなりますよね。
しかし、高収入につながる高単価な案件を受注することはデメリットもあります。単価ばかり気にした結果、アンマッチである案件かつ自身のスキル以上の案件を受注することにもつながり、他の案件に手が回せない状況に陥ってしまうなどの傾向があります。
結果、依頼主との信頼関係が壊れてしまうこともありますので、高単価の案件に踊らされないようにする意識が大切です。
ファイナンス設計できない
先ほど述べたフリーランスの取引上における契約トラブルの中には、こんなトラブルもあります。
報酬の支払いが遅延される
支払い期日を定めてくれない
遅延利息分を支払わない
さらに、「フリーランス白書2020」のデータによると、フリーランスとして働く上で最も課題になることは「収入の不安定さ」と言及しています。
収入を安定してもらえるためには、継続した案件受注により、途切れずに報酬を得ることが必要です。
安定した収入を得ようと焦る結果として、低い単価の案件でも現状のスキルでできる案件を獲得しようという行動につながるのです。
さらに、単価が低いままで収入を上げるとすると、数多くの案件を受注しなければなりません。多くの案件を安価で受け続けると、案件をこなすことに精一杯になってしまいます。
そして案件が増えた結果、納品に遅れが生じたり、クオリティが下がったりすることで、依頼主との関係が悪くなってしまう…そんな悪循環となってしまう結果になるのです。このように、高単価案件に踊らされてしまうケースと同様の結果に陥ってしまいます。
情に流されてしまう
案件を選ぶ際のよくある失敗3つ目は、知り合いの経営者の方に頼まれる例などです。
「フリーランス白書2020」の調査結果によると、7割以上のフリーランスが知り合いなどの人脈をもとに案件を獲得しています。
このように、非常に多くの方が人脈によって案件を獲得している場合が多いのですが、案件を受ける際、慎重にコミュニケーションを取る必要があります。
人間関係や義理人情が一概に悪いとは言い切れませんが、あまり情に流されて安価な条件で引き受けてしまうと、心身ともに苦しくなってしまいます。
「お世話になっているから」という義理によって、安月給で搾取されてしまわないように気をつけなくてはなりません。
また、あまりに安価で引き受けることは自分のスキルを安売りしてしまうことにもつながるため、人脈経由で案件を受注した結果、契約に関する話が身内贔屓にならないよう、しっかりと交渉をし、お互いに合意の上での価格設定ができるようなコミュニケーションを心がけることが重要です。
営業代行はプロに任せてスキルアップしよう
稼げるフリーランスエンジニアは、労力のかかる営業に注力しすぎず、依頼主との信頼関係構築を大事にしている方が多いことをお伝えしてきました。
労力のかかる営業に注力して失敗をしないために、外部のキャリアアドバイザーと協力し、大変な営業活動はプロにお任せするのはいかがでしょうか。
その方が自分自身のスキルアップが望めるため、長期的に見て高単価案件を受注しやすいですし、また、クライアントとの信頼関係を作る上での大切な作業に専念できるようになるでしょう。
まとめると、稼げるフリーランスエンジニアは営業に注力しないようにし、下記のような環境作りができるように配慮し、集中して案件に取り組めるようにしています。
スキルアップの時間を増やしエンジニアとしての価値を高める
依頼された案件に集中し、依頼主との信頼構築に注力できる
仕事の確保に頭を悩ます時間が減り、不安が減る
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