フリーランスエンジニアのエージェントなんて全部同じ?いいえ違います。その理由を解説します
2021.07.16
エージェントサービスへの印象として、単に求人を探してメールで案件を送ってくるだけ、なんて思っていませんか?実は、そうではないんです。もちろん、そういった企業も存在するかもしれません。
ですが、エージェントサービスが持つ本当の価値を知ると、同じエージェントサービスといっても各社に違いがあることが分かるはずです。
今回は、そのエージェントサービスが持つ本当の価値についてを詳しく解説していきます。ぜひ、あなたに合ったエージェントサービスを選ぶ参考になれば幸いです。
エージェントサービスとクラウドソーシングの違い
まず始めに、エージェントサービスが他のサービスとどう違うのかを明確にするために、似たような結果を得られるクラウドソーシングとの違いを解説していきます。
エージェントサービスの概要
フリーランスエンジニアのエージェントサービスとは、求人情報を載せたサイトだけではなく、あなたのことを代わりにエンジニア専任の担当者(エージェント)が依頼主企業へアピールしてくれるサービスです。
案件の紹介だけでなく、あなたの実力に見合った単価や契約条件の情報も得られます。依頼主企業が興味を持ってくれれば、その後の面談日程、条件交渉、契約の締結を始めとした事務処理の手続き代行や、キャリア支援などもサポートしてもらえる場合が多いのが特徴です。
エージェントを活用するメリットは以下の記事で詳しく解説しています。
クラウドソーシングの概要
フリーランスエンジニアのクラウドソーシングとは、その名前の通りインターネット(クラウド)上で、プログラム開発などの業務を依頼したり請け負うこと(アウトソーシング)をオンラインで完結できるサービスです。
有名なところを例に挙げると、ランサーズなどが該当します。副業やエンジニア初心者でも、手軽に仕事を探して請け負うことが出来るのが特徴です。ただし、案件を探すところから単価・条件交渉までを自分で対応する必要があります。
クラウドソーシングについては以下の記事で詳しく解説しています。
ここまでで、クラウドソーシングとエージェントにはそれぞれメリット・デメリットがあることが分かっていただけたはずです。エージェントは、専任担当者がいてくれることでサポート面が充実している点が魅力です。一方で、クラウドソーシングは副業などで手軽に始めたい場合に向いています。次に、エージェントサービスの中でも核と言えるほど重要である部分についてを解説していきます。
エージェントサービスが持つ本当の価値とは
ここまでに挙げた専任担当者がいてくれる魅力のあるエージェントサービスですが、あなたの代わりに依頼主と条件交渉や情報提供をしてくれるという「部分的なメリット」だけがエージェントの価値ではありません。エージェントサービスの価値とは、あなたが本業に専念する時間を多く確保できるように「専任担当者が付いてくれる」こと、そのものにあります。
引用:IT人材白書2020「IT人材のITやデジタル関連のスキルアップに向けた勉強に関する課題」(独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター)
本業に専念する時間が多く取れるということは、このようなメリットがあります。
多くの案件ができるため収入が上がる
新しい技術、知識の習得ができるため受けられる案件の幅が広がる
多くの経験値が溜まり開発スピードが上がる
依頼主の要望に応えやすくなり信頼される
つまり、営業活動をあなたの代わりにプロが対応してくれるといっても、あなたの業務が楽になるだけではなく、”時間”という貴重な資産を浪費せずに済むことが、最終的にあなたの価値を高めることへ繋がります。そして高めた価値によって、より好条件の依頼を受けられる状態になる。この良質なスパイラルがエージェントサービス活用における真の価値と言えます。
特にクライアントからの信頼を勝ち取るという点はフリーランスとして活躍していく上では非常に大切な要素となってきます。、エージェントサービスを使うことで、仕事の確保自体は容易になることでしょう。しかし仕事がいくらあるからといって雑な仕事をしていたり、納期が守れないというフリーランスはクライアントからも評価が下がり、さらにはエージェントからも「支援がしにくい方」と思われてしまうリスクもあります。逆説的ですがクライアントからの信頼が厚いフリーランスは、エージェントとしても優先的に支援していきたいと思われる傾向があります。
では、どんな点を重視してエージェントサービスを選ぶと良いのでしょうか?それを知るためにも、フリーランスを続ける上で課題となってくることを予め知っておくのは大切です。さっそく、その課題は何かを解説していきます。
エージェントを選ぶ上で知っておきたいこと
どんな点を重視してエージェントサービスを選ぶと良いかを判断するためにも、フリーランスがどんなことに課題を感じているのかを知っておきましょう。
フリーランスが感じる課題の変化
以下に、フリーランスが課題に感じていることを調査したレポートがあります。この「フリーランス白書2021」によると、冒頭でもお伝えしたように今の働き方を続ける上での課題に「収入がなかなか安定しない」という回答が、第1位(2019年度から9.1%アップ)に挙がっています。
引用:フリーランス白書2021「今の働き方を続ける上での課題」(フリーランス協会)
また、本業の妨げとなりがちな経理・バックオフィス領域の課題は第4位で36.3%、2019年度から8.9%ダウンしています。これは、課題に感じる人が減少傾向だということです。簡単に帳簿管理やスケジュール管理などができるツールの普及によって、経理・バックオフィス業務の負担が減ったことが大きいのではないでしょうか。
では、次の変化について解説していきます。
依頼主企業の認識の変化
引用:テレワーク実施率調査結果 2021年05月07日発表(東京都)
特に今注目すべきなのが、外出自粛の影響によって各企業のリモートワーク環境が整ってきていることです。東京都の発表によると、2020年3月から2020年4月までのたった1ヶ月間で、テレワーク導入率が24.0%から62.7%まで(約2.6倍)跳ね上がりました。その後、1年後の2021年4月の段階でも56.6%という高い水準を維持しています。
以下は、従業員規模別に表した調査結果です。
引用:テレワーク実施率調査結果 2021年05月07日発表(東京都)
従業員規模別に見ると、300人以上の従業員規模では約80%ものテレワーク実施率です。30〜99人の従業員規模ですら約50%となっており、規模問わずテレワークが前提となってきました。
実際に、地方在住でも発注が増えたという回答もあり、遠方から依頼を受ける際のハードルが下がってきています。
引用:リモートワークに対する企業の理解が進み、ご依頼いただく仕事が増えた。地方都市在住である為、以下2点が特に大きな+要素。
東京の企業様が地方在住であることを気にせず発注して下さるようになった
今までは「移動して訪問してくれる」が前提だった地方企業様がリモートでOKを出してくれるようになり、業務に割ける時間が増えた
引用:フリーランス白書2021「コロナ禍が今年度事業収益に与える影響についての自由回答」(フリーランス協会)
フリーランスの受注経路の変化
また、受注経路の調査結果を見てみると、「人脈(知人の紹介含む)」「過去・現在の取引先」が大半を占めています。
引用:フリーランス白書2021「受注経路」(フリーランス協会)
これは、会社員時代に築いてきた繋がりを活かして、案件獲得の見込みが立ってから独立しているからかもしれません。ここで問題なのが、しばらくの間は知人の紹介や過去の取引先だけで成り立ったとしても、将来的にも案件を確保していけるのか?という点です。
あなたの本業は開発プロジェクトを進めることです。きっとこれだけで大半の時間を使っているはずです。さらには、確定申告や経理処理といったバックオフィス業務も発生します。新たな案件を確保するために使える時間は、ほとんどありません。無理に時間を確保してしまえば、開発に専念できず納期に遅れたり、ミスが発生してしまうことになりかねません。
こういったことからも、エージェントサービスなどの外部サービスを上手く活用していくことが求められるのです。
引用:【2020年12月発表】ITエンジニア動向総まとめ(レバテックキャリア)
実際に、転職サービスを展開するレバテックキャリアの調査結果を見ると、「特定のプログラミング技術を用いた実務経験がある人材(フリーランスITエンジニア)」のエージェント登録者数の成長率を見てみると、2016年度の約3.4倍にまで跳ね上がっています。
また、遠方のリモート案件を獲得しようと思うなら、余計にエージェントサービスの活用は外せません。エージェントサービスを提供する企業は、あなたが一生知ることもなかったかもしれない遠方の依頼主企業とも、多くの繋がりを持っています。
あなた個人だけではなく、エージェントと依頼主企業との繋がりは、あなたにとっても非常に頼りになるのではないでしょうか。
ここまでで、エージェントを選ぶ上で予め知っておく必要のあるフリーランスや依頼主企業の変化についてを解説しました。また、本業である開発に専念するためにも、エージェントの活用が負担を減らすために大切であることをご理解いただけたはずです。
じつは、エージェントの利用にはあなたの負担を減らすこと「以外」にも、大切な役割を果たしてくれます。この理由を今から解説していきます。
案件獲得以外にもサポートが期待できるエージェントサービス
エージェントサービスには、スキルシートの監修など様々なサポートを各社が提供しています。我々の提供するエージェントサービス「フリエン」においては、上述のような条件交渉といった案件獲得の面だけでなく、「入金のタイミングを早めて即日入金される」といった資金面のサポートも行なっています。エージェントサービスの価値を知って、上手く活用してみてください。
詳しくは、下記ページをご覧ください。
営業代行や時間確保、トラブル回避といった面から、エージェントサービスを活用することで、あなたがどれほど安心して開発を進めていけるかを知っていただけたはずです。
ただし、エージェントと言っても依頼主企業へのコネクションはさまざまです。
ここからは、エージェントの違いで特に差が出る部分である「どのような案件が選べるのか」についてを解説していきます。
案件のジャンルはエージェントによって大きく異なる
会社員ではなくフリーランスエンジニアになったからには、自分の裁量で自由に働きたいと思っているかもしれません。望んだ通りの報酬、自分の価値観に合った企業の案件、スキルが活かしやすい案件といった、あなたの希望をすべて満たした案件が取れるかどうかはエージェントに掛かっています。
つまり、「案件を豊富に持っているサイトかどうか」よりも、「エージェントがあなた1人のため親身になって動いてくれるか」が重要なポイントです。どういった点で判断すれば良いかを以下にまとめてみました。
あなた自身のことをよく理解してくれるエージェント
あなたと企業の相性を見抜けるエージェント
あなたを自分のことのように代わりに売り込んでくれるエージェント
これは、エージェント会社の方針にもよりますし、エージェントごとの実力も大きく影響します。まずは、事前にあなたの希望を明確にしておきましょう。そして、あなたにとって信頼関係を作りやすい企業はどういった企業だと思いますか?このポイントに沿って明確にして、エージェントとの面談でしっかりと伝えるようにしてみてください。
例えば、あなたが主体的にプロジェクトへ参画した方が力を発揮できるのであれば、エージェントへも「案件の報酬・稼働日などの条件」だけでなく、働き方の方針も伝えた方が長く付き合える案件を見つけやすくなります。なぜなら、エージェントは依頼主企業と長い付き合いであることが多く、企業の方針や性格などを把握しているためです。
ぜひ、あなたに寄り添ってくれるエージェントを見つけて、じっくり相談してみてください。
ここまでに何度もお伝えしている通り、フリーランスエンジニアは、自分で経理処理などの「本業とは関係ないすべてのこと」を管理しなければなりません。
ですが、この問題はあなたに寄り添ってくれるエージェントを見つけることですぐに解決します。なぜなら、すべてが自己責任であるからといって、すべてのことをあなた1人でやらなければいけないわけではないからです。エージェントはあなたのパートナーです。
案件のマッチングが決まった際に、マージンが引かれて損をした気持ちになるかもしれません。その気持ちは当然です。その代わりに、営業活動をあなたがやらなくて良くなることで、多くの案件がこなせるようになります。そして、スキルアップのために勉強する時間を確保することも出来るようになります。
エージェントは、あなたがフリーランスを続けていく上で、障害となる手間・時間、そしてトラブルの点など幅広くサポートしてくれます。「営業活動」はエージェントに任せることで、あなたはあなた自身の価値を上げることに時間を割くことができるため、結果的には収入アップへ繋がります。これに加えて、トラブルにも巻き込まれにくくなることを考えれば、非常に理想的な条件で「秘書を1人雇ったようなもの」ではないでしょうか?
この機会に、エージェントに限らず外部サービスの利用を見直してみてはいかがでしょうか。
関連記事:>>フリーランスエンジニアは、「営業ができないと食べていけない」そう思っていませんか?
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