フリーランスに定義はない!?傭兵という由来から徹底解説!
2021.05.31
フリーランスという言葉をにすることが多いと思いますが、実際にどのようなことをしている人を指す言葉なのかをご存知の方は少ないのではないでしょうか?
フリーランスは世界の流れ的にも増加傾向にあり、フリーランスが働ける職種や業界も増加しています。フリーランスを目指す前に、一度フリーランスという言葉の定義と概要を理解しておきましょう!
この記事では
フリーランスの定義と由来
フリーランスの定義に該当する人数
どのような職業がフリーランスに当てはまるのか
フリーランスが人気の理由
の4点を軸に、解説していきたいと思います。
フリーランスの定義と由来
フリーランスとして働く人はフリーランサーと呼ばれ、近年ますます増加しています。
そして「フリーランス(フリーランサー)」と呼ばれている人々の仕事を見ると、明らかに違う職種・仕事をしているのに、同じフリーランスとして扱われているという事に疑問を持つ方もいるでしょう。
そこでまずはフリーランスの定義と由来について解説していきます。
フリーランスの定義
一般的な正社員や派遣社員は勤務先の企業との雇用契約の下で働いています。
一方で、フリーランスとは社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由に契約する人のことです。
会社と雇用契約を結んでいる正社員などとは異なり、仕事ごとに契約を結ぶことで仕事を請け負っています。各仕事やプロジェクトに対して、自分が持っているスキルやアイディアを提供することによって、個人で価値を提供しています。
価値の提供の仕方は様々であり、明確にフリーランスという定義はありません。
フリーランスの由来
さて、ここまで何度も登場したフリーランスという言葉はどのようにして生まれたのでしょうか?「フリーランス」という言葉の語源は中世ヨーロッパ時代までさかのぼります。
当時の傭兵と呼ばれる、「雇い兵」たちは、自らが戦闘の見返りに貰える報酬に納得し、戦いに意義を感じることができればどの君主の下でも戦い、忠誠心や主従関係のような政治的立場から自由(Free)であったと言われています。そしてこの自由(Free)は、自由と責任の両方の意味を含むものでもあります。
ここまでが、「フリーランス」の「フリー」に該当します。
一方で後半の「ランス」については、lancerと呼ばれる槍騎兵(槍を持って馬に跨り戦う兵士)から名前が取られています。上記で登場した傭兵は、主に槍騎兵のことを指します。
つまり、「フリーランス」とは中世の槍騎兵で、外部・内部的影響に囚われず自分の意志を持って戦いに参加するかを選択する事が出来た兵士の事を指します。
このように当時は傭兵を指していた「Freelance」が近代以降、次第に「組織を離れて働く状態」を指す言葉に変化していったのです。
どんな職業がフリーランスの定義に当てはまるの?
フリーランスの定義で説明した通り、フリーランスは具体的にどの職業が当てはまるという明確なものはありません。
つまり、企業や団体に所属していない人間が、みずからフリーランスと名乗った瞬間にフリーランサーであることになります。
しかし実際にフリーランスとして活動する人が多い職種も存在するので、その中で代表的なものをご紹介します。
ライター
出版社やメディアからの依頼を受けて記事の執筆を行うのが主な仕事です。著者にインタビューをし、著者に代わって書籍の執筆を行うブックライターや商品の宣伝文を執筆するコピーライターのようにライターにも様々な種類があります。
エンジニア(SE)
依頼人の要望に合わせたシステムを構成するためのプログラムコードを書くことが主な仕事となります。特にシステムエンジニア(SE)はプログラムを書く以外の仕事(システム設計、既存システムの改善など)も請け負います。
デザイナー
デザイナーは、商品やサービスを使いやすくアレンジしたり、説明やイラストが見る人により効果的に伝わるようにしたりするなど、デザインを行います。例えばWebサイトのデザインを手掛けるWebデザイナーは、Webサイトを依頼人の希望通りのデザインに仕上げるほか、見やすくわかりやすいサイト構成や、アクセス数を伸ばすための工夫などについての企画提案を求められることも多い仕事です。
編集者
編集者は、書籍や雑誌、Webサイトなどのコンテンツを作成するのに必要な人や情報を集めて調整し、全体の進行管理と、仕上がりまでをコントロールします。相応の人脈や経験が重要であることが多い職業のため、通常は出版社などメディアを持つ企業で経験を積んでから独立するケースが多く、いきなりフリーランスとして働く例は少ないです。
このほかにも非常に多くの職種でフリーランスとして働くことが出来ますが、同じフリーランスでも、国ごとに好まれる職種や時給などが異なり、求められる能力も変わってきます。
アメリカと日本ではフリーランスの定義が違うの?
アメリカと日本を比較すると、フリーランスで人気のある職種も変わってきます。 2015年に行われた「小規模事業者の事業活動の実態把握調査~フリーランス事業者調査編」によると、日本ではITエンジニアがフリーランス全体の22%を占め、一番多くなっています。次いで、専門技術職、デザイナー、ライター、翻訳家と続きます。
一方でアメリカのフリーランスでは、記者、編集者が一番多く、フリーランス全体の29%を占めており、約三割を占めています。次いで、デザイナー、コピーライター、翻訳家と続きます。また、日本で人気の高いIT系フリーランスの人気は低くなっており、日本との違いが読み取れます。
アメリカの雇用には総合職採用といった概念がなく、いかなる職種でも、就業する時点でその役職に対する一定の専門的な経験や知識が求められるので、社会経験を増すごとにほとんどの職業の人が自然とフリーランスとしてのスキルと専門性を身に着けていきます。
そのため、日本ではあまり馴染みのないマーケティング担当やビジネスマネージャーなど、これまで正社員の仕事とされてきたことでも、アメリカではフリーランスの仕事として広く普及しています。
自営業や個人事業主はフリーランスの定義には当てはまらない?
結論から言ってしまうとフリーランス、個人事業主、自営業の3つは基本的に同じ意味と捉えても問題はありません。
ただ、厳密に言うと、個人事業主は税法上の言葉です。法人化せず、開業届を出して個人で事業を行っている人を指します。
自営業は個人事業主よりも広義です。自営業を名乗る個人事業主は多くいます。 しかし、自営業が個人事業主であるとは限りません。 自営業は法人を設立している可能性があるからです。
このように個人事業主と比べて自営業の方がより広い意味で使われるのです。
フリーランスという言葉の定義は更に広く、その2つを包括するものです。
フリーランスは職種や職業を指すわけではなく、雇用形態を指します。
開業届も法人化もしていないフリーランスは多いです。 むしろ、「副業」という観点に絞ってみればそのどちらも行っていないフリーランスがほとんどです。
このようにフリーランス、個人事業主、自営業には違いがあります。
フリーランスが人気の理由と、定義の意味
インターネットが発達した今、フリーランスとして働く障壁は下がりつつあります。
2020年から小学校においてプログラミング教育必修化となり、AIの発達による仕事の減少によって、これからは自分のスキルを活かして生計を立てることが当たり前になっていくと思います。
従来の「会社で働くことによる安定」は「自分の功績を奪われるリスク」へとシフトしていることに気づく人々が増えることによって、ますますフリーランスの人気は上がっていくでしょう。
そして、現状ではフリーランスの仕事ではなかった職種が次々と出てくることになると、もはやフリーランスを統一して定義づけることは難しくなっていくといえます。
まとめ: フリーランスの定義は人それぞれ!
今回はフリーランスの定義についてご紹介しました。 フリーランスとして働く人は実際に年々増えてきています。
組織に所属して働くこと、フリーランスで働くこと、どちらが良いとは一概には言えません。 各個人が社会の流れや自分に合った働き方を選んでいけるよう、準備をしていく事が重要になって行きます。
フリーランスという選択肢を考慮したうえで、今後の働き方について考えてみてはいかがでしょうか。