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フリーランスエンジニアが食いっぱぐれない言語を見極める方法を人材会社が解説します

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フリーランスエンジニアが不安に感じることのひとつに「収入がなかなか安定しない」といった点が挙げられます。フリーランス白書2021によると、フリーランスの半数以上が「収入がなかなか安定しない」と回答していました。

収入を安定させて、フリーランスエンジニアとして長く続けていくためには、自分の開発スキルが長く役に立つかどうかが重要ではないでしょうか。そのため今回は、将来的にも使っていける開発言語は何か?を詳しく解説していきます。

収入が安定しない根本原因とは

こちらの記事で詳しく解説した通り、収入が安定しない理由としては、「依頼主と継続的な関係を築けないから」という理由が根本原因である場合がほとんどです。依頼主と継続的な関係を築けない理由はいくつかありますが、特に注意が必要となるのは「案件を無理やり獲得してしまうこと」「継続的な関係を作る気持ちがない」という場合です。

依頼主との継続的な関係を築くための対策として、最低限の要素があります。それは、「依頼内容を完遂できるだけの開発スキルを持っていること」です。この要素を満たすためにも、長く役に立つ開発スキルを持っておくことは、あなたの収入基盤を盤石なものにする上で重要になってきます。

ここからは、フリーランスエンジニアが抱きやすい不安のひとつである「収入がなかなか安定しない」点を解消するために、食いっぱぐれない言語について解説していきます。

依頼主との信頼関係を築く具体的な方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

>>【実は厳しい】フリーランスエンジニアの実態とは?

食いっぱぐれない開発言語とは

フリーランスエンジニアが感じる「自分が習得したスキルが長く通用するのか?」という不安を解消するには、習得する開発言語の選び方が大切です。では、具体的にどういった選び方をすると良いのでしょう?

それは、食いっぱぐれない開発言語を正しく選べるかどうかに掛かっています。しかし、この「食いっぱぐれない開発言語」がどれなのか分からないからこそ、あなたは不安に感じているはずです。ですが、安心してください。

「長く通用する開発言語かどうか」を見極めることは可能なのです。見極めるための方法とは、企業の基幹になるシステムに採用されている開発言語を知ることです。

ところで、なぜ基幹システムなのでしょうか?企業で多く募集を出している案件の開発言語を調べれば、需要なら分かるかもしれません。ですが、その案件が基幹システムに関連したものではない場合、話が変わってきます。なぜなら、新規サービスの開発案件を例に挙げると、必要な開発言語はトレンドに左右された「最新の開発言語」だったりするためです。つまり、必ずしも長く使われる開発言語であるとは限らないということです。

では、なぜ基幹システムだと食いっぱぐれない可能性が高いのでしょうか?それをお伝えするために、大企業などの大規模なシステムの実態を例に挙げながら解説していきます。

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大企業で活用された開発言語が長く使われ続ける理由

大手企業や官公庁が専用に開発したようなシステムというのは、多額のコストが掛かるため改修すら困難です。また、多額のコストを掛けてまで専用のシステムを開発するのは、長期的にシステムを使っていくことを前提とする場合が多くなります。そういったシステムは基幹として活用されるため、大きく変更できないのです。

新規の開発が減っても、長期的に保守開発は必要となります。こうした理由から、大企業や官公庁といった大規模なデータを管理するシステムで使われる開発言語というのは長期的な需要が見込めるのです。

つまり、基幹部分に関連したシステムというのは、長期に渡って大きく変化しにくいため、採用された開発言語も同じように長期間使われ続ける可能性が高いということです。

エンジニアとしてキャリアのある方ならご存知の通り、大企業や官公庁では数年〜数十年も前に開発された基幹系業務システムが、現在でも取り替えることが出来ずに稼働し続けているのです。こういったシステムは、重要な位置付けであるため簡単には作り替えることが出来ません。1から新しく作ろうとすれば膨大なコストが掛かるため、同じシステムを運用保守し続けることになってしまうのです。

一方で、最近はクラウド上で完結するSaaS系のサービスが主流となってきたため、時代の変化に合わせて習得スキルを変えていくことももちろん大切です。

これは、エンジニアに限らず言えることです。特に個人向けのシステムは、移り変わりが激しいので変化に合わせる必要があるのは言うまでもありません。ただ、そうすると常に新しいことを覚え続けることになってしまい現実的ではありません。

これでは一向に「食いっぱぐれない言語スキルを身につけて安心したい」という将来への不安は消えません。だからこそ、基幹システムなどのように、長く使われ続けるシステムの開発言語を習得することが、食いっぱぐれないエンジニアになる上で重要なのです。

例えば、日本電気株式会社(NEC)が2020年11月11日発行した記事によると、三井住友銀行の次世代勘定系システム構築にNECのメインフレーム「ACOSシリーズ」とオープン系のベストミックスで構築することを発表しています。

引用:次世代システムにて、オープンとメインフレームの“ベストミックス”なアーキテクチャを採用することで、デジタル時代を支える「柔軟性」「迅速性」も兼ね備えた勘定系システムへと変革してまいります。

参考:「NEC、三井住友銀行の次世代勘定系システムの構築ベンダに選定」(NEC)

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出典:「デジタル時代を支える次世代勘定系システムの構築について」(三井住友銀行)

三井住友銀行が公開している上図の通り、1994年に他行に先駆けて「全面刷新」を行ってから「新プラットフォーム構築」を発表した2020年まで、およそ20年間以上の期間、保守運用を続けてきています。20年もあれば、あなたが新たに別のスキルを習得して変化に対応していくことも可能です。

「食いっぱぐれるのではないか?」という不安は、こうした長期的に活用されるシステムの開発に携わっていくことで、解消していけるのではないでしょうか。

ここまでで、大企業が活用している開発言語は長く使われやすいことをお伝えしました。では、具体的にどの開発言語を身に付ければ良いのか気になりますよね。それを今から解説していきます。

一生食いっぱぐれないためには、具体的に何の言語スキルを身に付ければ良いのか?

大企業を中心とした「大規模なデータを管理している企業の基幹システム」で使われている開発言語は何でしょうか?それは、Javaが活用されている場合が多くなっています。これには理由があります。

Javaは汎用言語で堅牢なため、企業の基幹システムといったクオリティの求められる開発に採用されやすい開発言語なのです。また、大人数での開発に向いていることから、大企業や官公庁との相性が良いと言えます。

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◆主開発言語の調査データ

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N=1,472(未回答3件)

参考:ソフトウェア開発データ白書2018-2019(独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター)

大企業や官公庁でJavaを活用したシステムがあったとしても、国内の需要が衰退傾向にあるなら心配ですよね?「ソフトウェア開発データ白書2018-2019」によると、Javaを主開発言語としている人は2014-2015版で30.4%だった割合が、2018-2019版には42.7%へと10%以上も増えています。つまり、Javaはまだ主開発言語として活用できるだけの需要が拡大しているということです。

Javaが活用されるものとしては、オープンAPIが挙げられます。例えば、三井住友フィナンシャルグループのCIO(最高情報責任者)を務める、三井住友銀行の増田正治取締役専務執行役員は、日経BPの取材に以下のように回答しています。

引用:「メインフレームとオープン系のベストミックスなアーキテクチャーだ。システムが完成したあかつきには、サービスや機能は他のメガバンクに大きく先行できる。」

参考:「わずか500億円」、銀行DXへ要の一手」(日経BP)

このように、三井住友銀行は他行よりも先行して構築に着手していることからも、オープン系システムへの移行は今後も続くと予想されます。

では、実際にJavaが安定した需要を見込めるかを独自に調査してみましたので、これから発表していきます。

2021年に依頼主企業に需要の多かった開発言語ベスト3

我々が提供するエージェントサービス「フリエン」でも、依頼主企業から要望の多い開発言語を調べてみたところ「Java」が多い結果となりました。エリアごとの上位3言語は以下の通りです。

東京

  1. Java

  2. Ruby

  3. Android/iOS

大阪

  1. Java

  2. Android/iOS

  3. インフラ(AWS、Azure)

福岡

  1. Java(ほぼ1強の状態)

  2. その他

※フリエン「依頼主企業からの要望が多い開発言語TOP3」2021年5月時点(自社調べ)

調査の結果、やはりJavaが多く求められていることが分かります。サーバサイドで動作するアプリケーションの多くは、Javaサーブレットで開発されています。そのため、Javaはサーバサイドでの利用においては、中小企業から大企業まで幅広い需要があります。

また、大阪エリアで第3位のインフラ系の開発言語ですが、急速にニーズが高まっています。このように、最近ではオンライン化の波でサーバ関連のエンジニアも求められているトレンドとなっています。

ですが、長く需要の多い言語というのはそれだけ習得しているエンジニアが多くなり、単価が低くなりがちです。なぜなら、依頼主企業にとっては人材の供給が多いほど簡単に人材を確保することができるため、買い手市場になるということです。

一方で、需要は多いのに単価が高くなりやすい言語があるのも事実です。これはどういうことでしょうか?その理由を今から解説していきます。

最新の開発言語ほど単価が高くなりやすい理由

需要が多い開発言語の単価は、人材が豊富に揃っているといった理由から、単価が下がりやすい傾向にあります。ですが、そうではない言語も存在しています。一体、どういう言語でしょうか?それは、機械学習などといった「トレンドに沿っている」+「最新の開発言語」に多く見られる傾向です。なぜなら、需要が多いのに習得している人材が少ないために「希少性」があるからです。

例えば、Go言語は2009年にGoogleで開発され、2012年にリリースされた歴史が浅く新しいプログラミング言語です。そのため、主言語としている人材も多くないため報酬単価も高くなりやすくなっています。

さらに、米国のHackerRank社が調査した「2020 HackerRank Developer Skills Report」によると、「開発者たちが1番学びたいプログラミング言語はGo言語だった」と2020年2月に発表しています。そして、なんと「3年連続で開発者たちが次に学びたいプログラミング言語はGo言語が1番だった」といった旨の記載もあります。

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Go言語は、コードの書きやすさと処理速度の速さを併せ持つ言語として、WEBサービス、スマホゲーム・アプリなどの業界で多く採用されています。一躍有名となった「メルカリ」「クックパッド」「Gunosy」などもGo言語で開発されています。

また、株式会社ビズリーチの求人検索エンジン「スタンバイ」が調査した「プログラミング言語別年収ランキング2018」(提示年収の中央値ベスト10)によると、提示年収の中央値で1位だったのは「Go」だったと発表しています。次いで2位「Scala」、3位「Python」という結果になりました。求人数は2017年比で1.9倍に増加しており、今後もさらなる注目が予想されます。

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引用:プログラミング言語別年収ランキング2018(求人検索エンジン「スタンバイ」調べ)

最新ではありませんが、トレンドに沿ってここ数年で需要を増やしている開発言語は上述の3位にも挙がっているPythonです。Pythonは、オランダ人のグイド・ヴァンロッサム氏が1991年に発表した約30年の歴史を持つ開発言語です。

AIへの注目が集まってきたことで、機械学習と相性の良いPythonが人気となり開発依頼が増えてきたのです。Pythonが人気な理由のひとつに、ライブラリが豊富な点が挙げられます。ライブラリを使うことで、ソースコードを1から書く必要がなくなり、開発作業が効率的に進められます。そのため、開発現場でPythonが採用されることが増えてきています。

長く活用できる言語に絞って学習するのも失敗しづらい選択かもしれません。ですが、希少性も考慮して最新言語も身に付けながら、高単価と安定のバランスを調整すると、より自由な働き方を手に入れやすいのではないでしょうか。

まとめ

ここまでで、長く使われている言語や、企業から需要の多い言語を習得すれば長く活躍しやすい理由についてを解説しました。

ですが、いくら学ぶべき開発言語が分かったところで、新しく開発言語やスキルを習得するための時間を確保するのが難しいという課題もあります。それを解決するためにも、エージェントサービスなどの「本業以外を外部へ任せる体制」を検討していくことも大切です。まずは、あなたのスキルアップの方向性を決めながらじっくり検討していってください。

エージェントサービスは、案件の相談だけでなくファイナンスや資金繰りのサポートなども行っています。詳しくは、以下の記事で解説しています。

関連記事:>>【人材会社が解説】案件獲得に繋がりやすいフリーランスエンジニアの特徴

関連記事:>>【プロが解説】フリーランスエンジニアが安定して仕事を獲得できる方法とは?

※新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、フリエンを運営するアン・コンサルティング株式会社では、WEB(Google meet、ZOOMなど)ならびにお電話によるご面談(カウンセリング)をご案内差し上げております。

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