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フリーランスエンジニアの末路は闇なのか?エージェント側の視点で解説

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「フリーランスエンジニアの将来」について書かれた記事が多く存在しています。しかし、多くがネガティブな内容です。こうした記事を読むうちに「フリーランスエンジニアの末路は闇なのではないか・・・」と不安に駆られているかもしれません。

では、実際はどうなのか?をエンジニア専任コンサルタントとして多くのエンジニアを見てきた我々プロの目線で解説していきます。

1 フリーランスエンジニアとは?

まず、フリーランスエンジニアとはどういった人を指すのでしょうか?その大きな違いには企業との契約の仕方が挙げられます。

  • 業務委託

  • 正規雇用

  • 非正規雇用

フリーランスエンジニアは、企業と雇用関係はありません。勤務先企業もしくは派遣会社と雇用契約を結ぶ正社員エンジニアや派遣エンジニアとは異なり、案件ごとに業務委託・委任契約などを結ぶ形を取るのが、フリーランスエンジニアに該当します。

また、同じフリーランスエンジニアでも、案件ごとに働き方が以下の2つに分けられます。

  • 常駐型

  • リモート型

フリーランスエンジニアの末路がネガティブに捉えられがちなことの1つに、依頼主と雇用関係にないため、必要な期間が過ぎれば「契約終了」となってしまう点があります。これをカバーするために、仕事を定期的に獲得していかなければならず、「フリーランスエンジニアの末路は闇」だと思われる原因となっています。

そんな「仕事」についても、冒頭で挙げたように常駐型、リモート型といった形で案件ごとに変わります。それぞれについて解説していきます。

1.1 常駐型

契約先の企業に常駐して作業を行う正社員に近い働き方です。1〜6ヶ月間ごとを目安に契約の継続・停止を行います。依頼主側は、必要な期間だけ正社員または派遣社員に近い人材を確保できるため、リモート案件よりも多くのニーズがあります。

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引用:「雇用関係によらない働き方」をめぐる企業の取組みについて「企業の活用を妨げている要因(活用状況別)」(経済産業省)

経済産業省の資料の資料によると、企業がフリーランスなどの外部人材の活用を妨げている要因に「技術・ノウハウ・機密情報等の流出懸念」を挙げています。活用している企業もそうでない企業も同様に上位3つ以内に入るほど、企業がリスクを恐れていることが分かります。

こうしたセキュリティの面やプロジェクトの進め方によって「成果物だけでなく、現場に来て作業をしてほしい」という要望を持っている企業は多いのです。こうした理由から、セキュリティの厳しい大手企業の案件は常駐案件が多くなっています。

仕事の探しやすさの点では、在宅よりも常駐案件の方が勝ると言えます。また、実際に現場で多くのプロジェクトメンバーと交流しやすいことは、人脈形成や業務を円滑に進める点で大きなメリットがあります。

2.2 リモート型 

フリーランスエンジニアのイメージに近いのがこちらのリモート型ではないでしょうか。企業と条件を決めて、自宅など好きな場所で作業を行う働き方です。契約によっては、成果物に対して報酬が支払われる裁量の多い条件と、業務遂行に対して報酬が支払われる雇用に近い条件があります。

フリーランスの契約形態について詳しくは以下の記事で解説しています。 >>フリーランス、業務委託、準委任、SESなど言葉の意味と違い

正社員、派遣、フリーランスの違いについては以下で詳しく解説しています。 >>派遣エンジニアはフリーランスになれないのか?正社員・派遣・フリーランスの特徴と年収を比較

時間や場所に縛られにくく、人間関係や通勤などのストレスが少ない点が大きなメリットに感じる方が多いです。時間に縛られにくいことから、複業として職業を掛け持ちしたり、家事や育児をしながら両立している方もいらっしゃいます。

しかし、自由になりやすいからこそ自身の管理ができないと生き残っていくことは難しいかもしれません。開発が趣味のように好きな場合や、強い向上心を持っている方は、相性が良いのではないでしょうか。

また、リモートは対面とは異なりコミュニケーションの点で不自由さがあります。外出自粛の影響でリモート環境が各企業で整ってきているとはいえ、図の活用などの一層伝わりやすい形でコミュニケーションへの配慮が必要です。

ここまでで、仕事の定期的な確保が必要だとお伝えしましたが、常駐型、リモート型のどちらかに偏るのではなく、バランス良く経験しておくことが安定した仕事の獲得に繋がります。

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※引用:フリーランス白書2020「【フリーランス】今の働き方を始めた理由」(フリーランス協会)

また、フリーランス白書2020によると、エンジニアの方がフリーランスになる理由の第2位に「働く時間/場所を自由にするため」が挙がっています。これを叶えるために、在宅で仕事を行うリモート型が好まれやすい傾向にあります。ですが、リモート型の経験だけでは高収入には結びつかない場合があるため、常駐型も経験しておくことが優位に働きます。

「エンジニアの種類について」詳しくは以下の記事で解説しています。

>>ITエンジニアの職種と成功するための心得

2 正社員とフリーランスの違いは?

フリーランスは自由で収入も多いという点が注目されてメリットばかりが目立ちますが、必ずしも良いというわけではありません。正社員とフリーランスのどちらにもそれぞれ魅力があります。また、自分にとってはどちらが合うのか?といった相性の問題もあります。

フリーランスエンジニアと正社員エンジニアそれぞれの違いをまとめてみます。

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2.1 福利厚生の違い

フリーランスの場合は、良くも悪くも「すべてが自分の責任」となるため福利厚生を企業が負担してくれることはありません。会社員であれば、社会保険料を会社が折半してくれます。さらに、年金についてもフリーランスは不利となります。フリーランスは、厚生年金に加入できません。ですので、会社員と比べると将来もらえる年金額がかなり少なくなります。

そこで、国民年金にプラスして備えておくのがおすすめです。国民年金基金イデコ(個人型確定拠出年金)を検討するのもありでしょう。

参考:フリーランス必読。フリーランスと年金の基礎知識(freee)iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)国民年金基金制度とは?(国民年金基金連合会)

また、フリーランスには確定申告の手間があることも会社員との違いです。会社員であれば、年末調整という形で会社が行ってくれます。

2.2 仕事の内容の違い

会社員は、自分の実力以上の仕事にチャレンジする機会があります。しかしフリーランスエンジニアは、自身の実力に見合った依頼しか出来ません。なぜなら、自身で開発を終わらせられなければ契約違反となってしまう場合がある(※1)からです。 ※1:準委任の場合はこの限りではないため

正社員であれば、他の人に交代したり、サポートとしてチャレンジしたりといった個人の「失敗が許される環境」だからです。その代わり、正社員だと好きな仕事だけをするような「仕事を選ぶ」ことはしづらくなります。

フリーランスエンジニアになる方が、ある程度こなせるようになってから独立する場合が多いのはこのためです。

また、会社員の場合は在籍期間が長くなると、マネジメント側に回る必要が出てくる場合があります。仕事内容が上流になるなどで大幅に変わってくると、自身でコードを書くような開発に携わりにくくなります。これが嫌でフリーランスを目指す方は多くみられます。

2.3 仕事の場所の違い

フリーランスエンジニアの中でも、多くの人がイメージされて魅力を感じる部分に挙げられるのが、正社員のように拘束されず自由な場所で、自由な時間に働けるというところです。これは、上述の通り請負型の特徴です。

常駐型であれば、正社員と同じく依頼主企業のオフィスが主な働く場所となります。

このように、会社員とフリーランスでは待遇に大きな差が見られます。これだけを見てしまうと、末路は闇だと不安に感じてしまうかもしれません。これらを踏まえて、本当に末路は闇なのか?を解説します。

その他のデメリットについては下記で詳しく解説しています。 >>フリーランスのデメリット1番のデメリットは安心感が失くなる事と確定申告

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3 フリーランスエンジニアの末路は闇なのか?

ここまでに解説したように、待遇面の違いからネガティブに語られるようなリスクは確かに存在します。ですが、我々の提供しているエージェントサービスに登録されているエンジニアの方たちを例に挙げると、全体の8割もの方たちが収入アップを実現しています。

フリーランスの福利厚生が整っていないのは、「すべてが自己責任」だからです。その代わりに、好きな仕事だけ選んだり、いつ仕事をするかを決めたりするのも「すべてが自己責任」において進められるからでもあります。

結局のところ、収入が継続的に入っていれば解決してしまうものばかりです。つまり、リスク管理を自己責任で対策すれば良いのです。

例えば、会社員よりも収入アップしやすい分、何かあった時のために保険を手厚くすることで福利厚生はカバー出来ます。新規事業や資産運用によって年金額が会社員より少ないこともカバー出来ます。このように、良くも悪くも本人次第なのです。

4 将来的にも稼いでいくには価値を上げる

まだ将来的に稼いでいけるかの不安を、あなたは感じているでしょうか?多くの記事でエンジニアの末路がネガティブに語られるのは、そういった内容の方が目を引きやすいからかもしれません。

実際には、仕事の選び方を工夫したり、受けられる仕事の幅を増やすためにスキルアップをしたり、我々のようなエージェントサービスに営業活動を任せて、より多くの開発に専念したりすることで、あなたの価値を上げていけば不安はなくなるのではないでしょうか?

スキルアップなら、数多くの学習サービスが既に存在します。これらを活用すれば、必要な情報は得られます。仕事を取りやすくするために実績を増やすなら、簡単な案件から順にこなしていきましょう。自然と実績や経験値が溜まるため、立ち回り方も慣れてしまうでしょう。

また、依頼主が気にする点が専門性なのは間違いありません。ですが、それがすべてではありません。極端に言ってしまえば、依頼を受けられるレベルであれば、それ以上は必須ではありません。注意すべきなのは、信頼に値する人物かどうか?なのです。

経済産業省が調査した『「雇用関係によらない働き方」をめぐる企業の取組みについて』によると、外部人材の活用におけるメリットに専門性の高い人材を得られることが挙げられている一方で、デメリットに情報漏洩、トラブルへの懸念といったリスクを挙げています。

<企業側のフリーランス等外部人材活用における反応>

引用:情報漏洩の可能性がある

引用:企業がフリーランサーを活用しない最も大きな要因は、「情報漏洩」と「信用(問題発生時のリスク)」だと思う。何か問題を起こした場合のリスクと精査が個人事業主に対してではできない。

このように、企業側はリスクを嫌うため、必要なスキルだけでなく安全性も重視するということです。こうした点にも気をつけていけば長期的な関係になりやすく、将来の不安もなくなるはずです。

5 会社員エンジニアは安定するのか?

では、会社員エンジニアだったらどうでしょうか。会社員なら将来は安泰だと思いますかで?そんな時代は終わりました。フリーランスエンジニアとして相談に来られる方の中には、リストラによりフリーランスに転身するしかなかったケースもありますが、見事に会社員時代よりも収入を増やし、時間も出来て、何より複数の案件を継続的に得られているため安定しています。

結局は、自分で稼げるだけの実力があるか次第です。会社員でも、その実力がなければ末路は苦しいものになります。職種問わずこれは言えることです。マネジメントをやりたいなら良いかもしれません。開発に専念したいならフリーランスといった方も多くいらっしゃいます。

エンジニアにとっての安定には、仕事を依頼され続けるか?が鍵を握ります。

そのためには、開発スキルをアップデートしていくことだけではなく、仕事を継続して得られるスキルも必要です。開発スキルだけでは、足りません。

我々は、サービスリリースから10年以上経っており、依頼主企業との繋がりが深くなっています。そこで依頼主企業に調査を行ったところ、エンジニアに求めていることは、開発を期日までに終わらせてくれることです。

高いスキルが必ずしも必要なわけではありません。卓越したコミュニケーションを求めているわけでもありません。単に約束を守ってほしいだけなのです。これは、上述にもあるように依頼主が情報漏洩やトラブルを懸念している点にも当てはまります。

約束を守るためには、

1、期日までに開発を終わらせる

2、企業側の要望を正確に理解する

マネジメント側なら上記2つに加えて、

3、メンバーへ正確に伝えられる

こういった部分を求められています。ある程度の開発をこなせるスキルと上述の点さえ出来てしまえば、いくらIT人材が話題で増加していても、正直仕事には困らないでしょう。

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6 まとめ

いかがでしょうか。末路の記事で語られるネガティブな内容があったとして、自己責任だからこそ自身で対策をしておけば解決できることばかりです。また、そういったネガティブな情報の方が、注目されやすいからでしょう。

実際の現場では、常にエンジニアが不足しています。この受給のバランスは、数年続くと予想されています。逆にIT人材が増えたことで、スキル不足のエンジニアが増えたといった企業側の悩みも多くなっています。

実務経験がなければ、確かにフリーランスでは実績が出来るまで難しい可能性があります。しかし、実務経験があり、スキルも問題ないのであれば心配いりません。ここまででお伝えした内容に沿ってやっていけば、仕事に困らない依頼され続けるエンジニアになることは十分に可能です。

案件が多くなって、営業する時間が取れないとか、スキルアップの時間が取れないのであれば、我々が提供しているようなエージェントサービスがあります。我々はエンジニア1人1人と向き合い、働きやすい案件探しをサポートします。開発に専念したくなったら、一度ご相談ください。

>>フリエンで案件を確認する

※新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、フリエンを運営するアン・コンサルティング株式会社では、WEB(Google meet、ZOOMなど)ならびにお電話によるご面談(カウンセリング)をご案内差し上げております。

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