2016.08.10技術

IBM汎用機・メインフレームの種類と汎用機がなくならない理由

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汎用機は今から約65年前の1950年の世界最初の商用コンピューターUNIVACの誕生から始まり、今ではIBM、富士通、日立製作所、日本電気、Bull、ユニシスなどの大手企業がメインフレーム・汎用機の製造販売をしています。従来のコンピューターより大型で、データ移動や集計、計算をメインとした商業的データ処理向け機種と、科学技術・数値計算向けの計算の両方を同時にまかなうことが可能な汎用コンピューターを、メインフレームもしくは汎用機と呼びます。
 
今回は、数ある汎用機の中から、IBMの汎用機に着目しました。IBMがメインフレーム業界に進出したのは1952年のIBM701で、その後の1964年に登場したSystem/360でIBMは競合の企業を圧倒しました。それからというもの、IBMが一段とメインフレーム・汎用機の製造販売の強化をし続けており、現在まで至ります。今回は、そんなIBM汎用機・メインフレームの種類と汎用機が無くならない理由をご紹介いたします。
 
 
 
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【目次】
IBM汎用機の5種類とそれぞれの特徴
z/OS系の特徴
z/VSE系の特徴
z/VM系の特徴
z/TPE系の特徴
System z系の特徴
増え続けるIBM汎用機
IBM汎用機エンジニアの実態
現場で求められるIBM汎用機エンジニア
汎用機・メインフレームエンジニアの需要はまだまだなくならない
IBM汎用機エンジニアの平均月収
”フリエン”で掲載されているIBM汎用機案件と業種例
汎用機の今後の展望
増え続ける汎用からJavaへのマイグレーション
汎用機が消えることはない
汎用機・メインフレームの必要スキル・用語
まとめ
 
 

IBM汎用機の5種類とそれぞれの特徴


 
IBM汎用機と一言に行っても、種類とシリーズが豊富です。どんどん性能の良いものに改修されているため、シリーズだけでも何十種類と約50年分あります。今回は、下記の図のようにOSごとに5つを詳しくご紹介いたします。用語でわからないことがある場合は、IBMのホームページの用語集をご参考ください。
 
 
 

z/OS系の特徴

OS、規模:大規模システム向けで、OS/360、MVS、OS/390などの後継のOSです。現在最も主流なOSでもあります。
Bit数:アドレッシングは64bit
特徴:UNIX互換環境などのオープン標準も取り入れています。上位互換性と極めて高い信頼性・可能性を兼ね揃えており、メインフレーム専用OSでありながら、オープンシステムの要素を取り入れています。
備考:仮想化では、1台のメインフレームをPPAR(物理分解)、LPAR(論理分解)し、z/VM(ソフトウェア分解)の組み合わせにより複数のz/OSを同時に稼働させることができます。
 

z/VSE系の特徴

OS、規模:中規模システム向けで、DOS/360から始まり、DOS/VS、DOS/VSE、VSE/ESA、と続いているOSです。
Bit数:アドレッシングは64bitで、アプリケーションから見た仮想アドレッシングは31bitですが、V5.1では仮想アドレッシング64bitです。
特徴:信頼性・可能性・保守性の評価が高く、z/Architecturelに対応したVSEです。OS自体がコンパクトです。
備考:z/OSとの違いは、サブシステム数・管理すべき項目、必要なハードウェア資源などが違います。また、多重仮想空間は限定されているうえ、OSコマンドやジョブ制御言語の効能と構文が違います。
 

z/VM系の特徴

OS、規模:商用で世界初の仮想化OSであるCP-67、VM/370から続くシリーズの最新OSです。
Bit数:31bitでCMS自体は24bitのアドレッシングのままでしたが、z/VMは64bitのアドレッシングに対応しています。
特徴:ゲストOSにz/OSやz/VSEなども使用可能です。単体で使用した場合は、オンライン対話型志向が強いことも特徴です。
備考:z/VMのVMは、一般的なVMとは違い、Virtual Machineのことですのでご注意ください。z/OSやz/VSEとの違いは、z/VM系単体ではなくz/OSやz/VSEの仮想化OSと使用される部分と、単体で使用した場合は、オンライン対話型志向が強いため、トランザクション処理やデータベース・バッチなどに向かないことです。
 

z/TPE系の特徴

OS、規模:大容量トランザクション処理に特化したリアルタイムOSです。
Bit数:アドレッシングは64bit
特徴:大容量トランザクション処理に特化したOSであり、1秒間に最大数万件のトランザクションを処理することができます。また、GUIを持たないため、マウスもウィンドウもアイコンもなく、単純なCUIを使用しています。そして、コンパイラ、アセンブラ、テキストエディタも存在しないため、z/OS、Linux上などで開発されます。そしてもう一つ、通常はz/VM上でTPEを動作させることが多く、デバック機能もほとんどないため、VMの持つトレース機能を利用することができます。
備考:性能を重視しているため、アセンブリ言語で書かれていましたが、最近ではC言語やPL/Ⅰを使用することも増えてきています。IBMでの類似のシステムはCICSIMSがありますが、TPFの容量・同時ユーザー継続数・高速応答時間などはz/TPEの方が優位です。
 

System z系の特徴

OS、規模:2000年以降のIBMのメインフレームコンピューターのブランド名。
Bit数:64bitアーキテクチャ
特徴:1964年のSystem/360からの上位互換性と、z/Architecturelに基づいて設計されています。z/OS、z/VM、z/VSE、z/TPFなどのオペレーティングシステムでサポートされています。
備考:システムを継続して稼働させる可用性を求められる場合や、過去のプログラムや運用管理などを継続したい場合や複数のサーバを統合したい場合などにメインで使用されています。現在では「IBM z System」にブランド名を変更しています。
 

増え続けるIBM汎用機

IBMにとっての重要な収益源が、IBMのメインフレーム・汎用機の製造開発です。「メインフレーム・汎用機はすでに古い」と言われていますが、高い信頼性や可用性が実証されているため、世界中でまだまだ大規模な銀行や保険会社でも使用されています。その時代に合ったニーズを取りいれ、常に最新技術の汎用機の研究をしています。市場が縮小傾向にありますが、高い信頼性や可用性、コスト効率を顧客ユーザーが求めている限り、IBMのメインフレーム・汎用機の製造開発は止まるところを知りません。
 
 

IBM汎用機エンジニアの実態


 
汎用機となると、まずはどこのメーカーの汎用機かを聞かれます。その中でも約半数ほどの汎用機がIBMです。もちろん、汎用機のエンジニアもIBM汎用機経験者の方が多い傾向にあります。2016年7月現在も、まだまだ汎用機の案件は増えています。では、60年以上の歴史を持つ汎用機の開発で、どのようなエンジニアが求められているのかや需要や開発の実態について見ていきます。
 

現場で求められるIBM汎用機エンジニア

開発現場で求められるIBM汎用機のエンジニアは、どのOSの経験があり、どの言語を使用したのかをまずは聞かれます。それ以外で主に求められることを5つご紹介します。
 
・業種の知識
・オンラインかバッチか
・開発の手が動くか
・バージョンアップ対応経験があるか
・勤怠、健康面良好か

 
この5つは、汎用機での開発のメインであるCOBOLのエンジニア以外でもよく聞かれます。
 
・業種の知識
IBMに限らず、汎用機系の案件の場合は、銀行・証券系や保険系・流通・メーカーなどの大手企業や老舗が大半です。業種特有の専門用語が飛び合う現場も多いため、「業種の知識や経験はあるのか」と聞かれることが多いです。もちろん、知識や経験があれば優遇されるため、仕事を獲得しやすくなります。
 
・オンラインかバッチか
データ処理に即時性が求められる場合は、トランザクション処理とデータベース管理システムを組み合わせることが多いオンライン。即時性が求められない場合は、処理目的ごとに区切られるバッチ処理を行います。手法が異なるため、どちらの経験が多いかを聞かれます。
 
・開発の手が動くか
上流(要件定義~基本設計)や保守で入った場合も、機能追加や一貫して開発もお願いされるケースが多いため、開発の手が動くかどうかを確認されるケースが多いです。また、上流は正社員などで足りている場合がほとんどですので、派遣やフリーランスなどで入る方は開発もできた方が有利になります。
 
・バージョンアップ対応経験があるか
IBMの汎用機は、その時代に合ったニーズを取りいれ続けているため、約半年~1年に一度バージョンアップや機能追加が行われることが多いです。そのため、バージョンアップ対応経験があるかと聞かれる場合もあります。
 
・勤怠、健康面良好か
IBM汎用機に限らず、どこの開発現場でも聞かれます。勤怠・健康面が良好な方ですと長く働いてもらえる安心感があるからです。
 

汎用機エンジニア不足

2016年7月現在、汎用機のエンジニアが不足しています。その背景としては、今の若手のエンジニアはJavaやPHPなどの流行りの言語に流れる方が多いからです。WEB系言語の需要が多い世の中だからこそ、専門学校や大学での勉強もWEBの方が多くなっている傾向にあります。
 
そしてもう一つは、覚えることが多いからです。極端に言うと、マニュアルの分厚さが他のスキルに比べて顕著です。メーカーのマニュアル・OSのマニュアル・言語のマニュアルなど、覚えることが多いのも若手エンジニアの汎用機離れの原因の1つです。
 

汎用機エンジニアの高年齢化

60年あまりの歴史をもつ汎用機。昔は主流だったため、エンジニアがたくさんいましたが、近年ではWEB系が主流のため、汎用機の若手が減少しています。当時の若手汎用機エンジニアが今でも汎用機を継続し続けているため、現在では50代~60代がメインとなって働いています。そこで問題なのが健康面です。高齢になるにつれ、体力も免疫力も減退してしまいます。そうすれば、システムを動かし続けることが不可能になるという問題が浮上します。
 

汎用機・メインフレームエンジニアの需要はまだまだなくならない

銀行・証券系や保険系・流通・メーカーなどの大手企業や老舗のシステムは、まだまだ汎用機系が強いです。汎用機は古いと言われ続けていますが、まだまだ仕事自体はなくなりません。むしろ、エンジニア不足だからこそ需要は高まるばかりです。特化知識や技術も持っている方であれば60代半ばの方でも需要があるくらい、汎用機のエンジニアは足りていません。
 

20~40代の汎用機エンジニアは重宝される

60代でも求められるくらい需要がある、IBM汎用機のエンジニアですが、やはり「長期的に働いてもらいたい」「まだまだ汎用機はなくならないので継承者がほしい」という声がどこの現場でも溢れています。特に後者の継承者が足りていません。次の世代を担ってほしいからこそ、若手の汎用機エンジニアはかなり重宝されます。特に、30代で3年以上も汎用機を経験している方であれば、仕事の選択の幅が広がります。若くて経験があれば、業種の知識は二の次と言われるほど、どこの開発現場でも需要はあります。
 

IBM汎用機エンジニアの平均月収

気になるIBM汎用機の平均年収ですが、言語やポジション・経験によって変動はありますが平均年収580円程です。中では、上流から一貫して対応することができ、開発も得意という方は、年収800万円近くの方も実際にはいます。また、業種の知識によっても変動することがあります。「○○というピンポイントの知識や経験がある方」と募集されている場合は、他の汎用機の仕事より収入が高い場合が大半です。中でも、証券や損害保険の知識・経験の方は高めの傾向があります。詳しくは、フリーランスの年収の実態と年収1000万稼ぐ4つのポイントを参考にしてください。
 

”フリエン”で掲載されているIBM汎用機案件と業種例

エンジニアのための情報サイト”フリエン”でも、IBM汎用機の案件は数多く存在します。”IBM”で検索すると188件。”COBOL””PL/Ⅰ””RPG”などの汎用機系で検索すると299件の登録があります。もちろん、掲載されていない案件も数多く存在し、主にCOBOLの需要はかなり多くあります。
 
また、業種で一番多いものから並べていくと、損害保険、銀行、証券、メーカー、生命保険、流通の順で汎用機が多い傾向にあります。時期や募集業況によっての変動はありますが、主に金融系業界で汎用機の案件が多いです。
 

(【COBOL】損害保険会社向け代理店情報管理システム保守開発の詳細情報の案件情報を見る)
 

【COBOL】大手食品会社システムの案件情報を見る)
 

(生保システム開発の案件情報を見る)
 
まだまだIBM汎用機の案件はありますので、気になる方は気軽にお声かけください。エンジニアのための情報サイト”フリエン”の登録フォームより、必要な項目を記入するだけです。あとは、担当コンサルタントからのご連絡をお待ちください。
 
 

汎用機の今後の展望


 
「汎用機エンジニアの高年齢化」と「次世代を担う後継者不足」の2つの課題を抱えている汎用機。この課題は2010年に入った時から言われ続けており、近年はさらに重大な問題へと加速し続けています。
 

増え続ける、汎用からJavaへのマイグレーション

「汎用機のエンジニアがいないのであれば、オープンシステムの要素を取り入れればいいのではないか」と言われていますが、実際にはUNIX互換環境などのオープン標準を取り入れたり、C言語で開発されている汎用機もあります。特に最近良く見かけるのが、COBOLからJavaへのマイグレーション案件です。
 

(健康保険組合システムマイグレーションの案件情報を見る) 

このように、比較的新しいシステムのプロジェクトや中規模程までの開発現場ではマイグレーションを行っているところも多いです。Javaであれば、エンジニアも多い上に2016年の現在では支流とも言える開発言語だからです。z/OS系でも、UNIX互換環境などのオープン標準があります。IBM自体も、新しい顧客ニーズを取り入れています。
 

汎用機が消えることはない

オープンシステムへのマイグレーションが増え続けていますが、汎用機自体が無くなることはありません。銀行・証券系や保険系・流通・メーカーなどの大手企業や老舗のシステムの大半が汎用機だからです。これが、小規模であればすぐにオープンシステムへのマイグレーションが発生する可能性がありますが、ほとんどが大規模です。これらは、オープンシステムにマイグレーションするよりも汎用機のママの方が効率も良く、コストもかからないので、汎用機であり続ける可能性が高いです。
 
また日本だけではなく、世界の銀行の上位9割、世界の生命保険会社トップ10のうち9社がまだまだIBMのSystem zシリーズを使用しています。この数字だけを見るとかなりの数です。もちろん、金融系だけではありません。電車や航空の予約管理や管制システムなどの公共機関も、IBM汎用機を使用しております。大量のトランザクションの高速処理が必要な場合だと、まだまだ汎用機の方が実績も長く信頼性も効率も良いからです。
 
2016年の2月にもIBMは「IBM z13s」という新商品を発表しているほどですので、まだまだ汎用機が消えることはありません。
 

メインフレーム・汎用機の必要スキルとよく出る用語


 
IBMのメインフレームや汎用機の場合、セットで覚えなくてはいけない言語が出てきます。もちろん、OS特化のスキルでも問題はありませんが、幅を広げ、仕事の選択肢と収入アップを目指してみてください。
 

覚えておくべきスキル

・COBOL
汎用機のメイン言語とも言えるものがCOBOLです。事務処理用に作られた言語ですが、可用性が高く古くから使用されています。
 
・PL/
汎用プログラミング言語のひとつで、データ処理で再起及び構造化プログラミングに対応しています。一時期、IBMがPL/Ⅰに力を入れていたため、IBM汎用機の開発現場で使用されることが多いです。
 
・RPG
IBMのAS/400(System i)サーバ向けのプログラミング言語です。大手銀行や製造メーカーではまだまだRPGのシステムが多く残っています。
 
・アセンブリ
プログラム可能な機器を動作させるための機械語を人がわかりやすい形で記述したものです。IBMメインフレーム系専用のHLASMというアセンブリが開発されているほどで、汎用機がかかわる案件に出てくる場合が多いです。
 
・JCL
メインフレームで使用される、ジョブ制御用のスクリプト言語です。バッチ処理やプロセス起動時に使用することが多いです。
 

よく出る用語

・オンライン
トランザクション処理とデータベース管理システムを組み合わせ、即座に処理・実行・完了して結果を送り出す、オンラインリアルタイム。
 
・バッチ
一定期間や一定のデータを集め、まとめて一括処理を行う処理方法。もしくは、あらかじめ一連の手順を登録しておき自動的に連続処理を行う方法です。
 
・ジョブ管理
コンピューターに仕事させる単位で、プログラム群のこと。
 
・データセット
IBM汎用機でのファイルのこと。
 
・マイグレーション
移行のことで、古いシステムや言語から別のものへ移行するときに使われます。
 
その他は、よく聞く汎用機用語「メインフレーム・コンピュータ」で遊ぼうのホームページをご参考ください。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか。世界では最先端技術やWEB系言語の方が支流と思っていたため、IBM汎用機が世界の大手金融系でまだまだ使われているという実態に驚きを隠せませんでした。汎用機大国である日本も、まだまだ汎用機が消えることがないことがわかりますが、エンジニア不足という課題は言われ続けそうです。もし、少しでも汎用機にご興味をもった方がおりましたら、一度エンジニアのための情報サイト”フリエン”にご登録してみてください。年に何度か、汎用機やCOBOLを覚えたい方を募集しているお仕事が出てくることがあります。もちろん、未経験可能です。継承者がいないからこそ、開発現場で育ててくれるという場合もあります。些細なご相談でもお気軽にお問い合わせください。
 
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